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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2025年10月23日
投稿日 : 2025年07月08日

最近、ニュースで「プラチナ価格が高騰」という言葉を耳にし、その理由に関心をお持ちではないでしょうか。金の価格とは違う複雑な値動きの背景には一体何があるのか、この高騰は一時的なものなのか、それとも今後も続くのか、多くの方が疑問に思っているはずです。
そこでこの記事では、プラチナが高騰しているの3つの理由から、金との違い、そして今後の価格見通しまでを専門家が徹底解説します。
プラチナが高騰している理由やプラチナへの投資に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

プラチナ価格が高騰している背景には、以下のような理由が関係しています。
それぞれ解説します。
プラチナの価格が高騰する大きな理由の一つが、その生産国のほとんどが南アフリカとロシアという二カ国に極端に集中していることによる、供給面の不安です。
全体の生産量の9割近くを南アフリカとロシアが占めているため、現地の政情不安や、鉱山での労働問題、あるいは電力不足といった問題が発生すると、世界のプラチナ供給はすぐに不安定になります。とくに、地政学的なリスクは、安定供給への懸念を高める直接的な要因です。
プラチナの供給が偏っていることが、プラチナの価格を変動させやすく、高騰を招く一因となっています。
プラチナの需要の多くは、宝飾品ではなく、自動車の排ガスを浄化する「触媒」をはじめとした、工業用途が占めています。とくに、ディーゼル車の排ガス浄化触媒として長年利用されてきました。
近年では、価格が高騰したパラジウムの代替として、ガソリン車の触媒にもプラチナが使われる動きが広がっています。自動車の生産台数が回復・増加すると、それに伴ってプラチナの需要も高まるのです。このように、工業製品、とくに自動車産業の動向が、プラチナの価格を支える重要な基盤となっています。
脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギーとして注目される、「水素」の製造や、「燃料電池自動車」の触媒として、プラチナの新たな需要が大きく期待されています。
プラチナは、水を電気分解してグリーン水素を製造する装置や、水素と酸素を反応させて電気を生み出す燃料電池の両方で、非常に効率の良い触媒として機能します。世界的に脱炭素化が進むほど、この新しい分野でのプラチナの必要性は高まっていきます。
この将来的な需要への期待感が、現在のプラチナ価格を押し上げる一つの大きな要因です。
プラチナ価格の今後の見通しは、短期的な金融市場の動向と、長期的な産業構造の変化という、二つの時間軸で考える必要があります。それぞれの時間軸で、プラス要因とマイナス要因の両方を理解すると、より冷静な判断ができます。
短期的なプラチナ価格は、国際的な指標価格が米ドル建てであるため、「ドル円の為替相場」の変動に大きく影響されます。たとえば、円安が進行すると、日本国内での円建てプラチナ価格は、ドル建て価格が変わらなくても上昇します。
また、プラチナは景気の動向にも敏感なため、世界的な金融市場のムードや、投資家のリスク許容度の変化も、日々の価格を動かす要因です。このように、為替と景気の動向が、短期的な価格の波を作ります。
プラチナの長期的な将来性は、水素社会の進展という強力なプラス要因と、電気自動車の普及というマイナス要因の綱引きによって左右されます。
水素製造や燃料電池自動車でのプラチナ需要は、価格を押し上げる大きなプラス要因です。一方で、触媒を必要としない電気自動車が主流になると、自動車産業からのプラチナ需要は大きく減少する可能性があります。
この二つの大きな流れのどちらが優勢になるかが、10年後、20年後のプラチナの価値を決める鍵となるでしょう。

プラチナと金の価格は、違う動きをすることが一般的です。それぞれの需要構造の違いが、景気や金融情勢の変化に対する、それぞれの価格の反応の違いを生み出します。
両者の性質の違いを理解すると、それぞれの価格動向をより深く読み解くことができます。
プラチナの需要の約6割は自動車の触媒などの工業用である一方、金の需要の約8割は投資用の地金や宝飾品が占めています。
そのため、プラチナの価格は、自動車産業などの製造業の景気動向に大きく影響されます。一方で、金の価格は、世界的な金融資産としての需要に支えられているのです。
このように、プラチナは「産業用金属」、金は「安全資産」としての側面が強いのが、両者の根本的な違いです。
それぞれの需要構造の違いから、プラチナは「好景気に強く」、金は「金融不安時に強い」という、価格が上昇する局面が異なる傾向にあります。
景気が良く、自動車などの生産が活発になると、工業用需要の大きいプラチナの価格は上昇します。逆に、経済危機や紛争などで金融不安が高まると、世界共通の価値を持つ「安全資産」である金の需要が高まり、価格が上昇するのです。
両者の値動きは、世界の経済状況を映す鏡のような関係ともいえます。
プラチナの売却を検討する際は、現在の価格が高水準である理由を理解し、ご自身の資産価値を最大化するためのいくつかのコツを実践することが重要です。
価格が高騰している今だからこそ、焦って売却して損をすることがないよう、冷静な準備と行動が求められます。正しい知識を持つことが、納得のいく価格での売却を実現するのです。
今がプラチナの「売り時」といわれるのは、世界的な供給不安や、脱炭素社会に向けた将来的な需要への期待感から、価格が歴史的な高値圏で推移しているからです。
また、円安が続いていることも、日本国内での円建て買取価格を押し上げる大きな要因となっています。国際価格と為替相場の両面から、現在の価格は売却を検討するのに有利な水準にあるといえます。
このような好条件が重なっている今、ご自宅に眠るプラチナ製品の価値を確かめてみる絶好の機会です。
プラチナを1円でも高く売るためには、以下3つのコツを実践してください。
一つずつ解説します。
プラチナを売却する際は、必ず複数の買取専門店で査定を依頼し、見積もり額を比較する「相見積もり」をおこないましょう。
同じプラチナ製品でも、お店の在庫状況や販売ルート、そして査定士のスキルによって、買取価格には必ず差が生まれます。最初に訪れた一店舗だけの査定額で即決してしまうと、もっと高く売れる機会を逃してしまうかもしれません。
最低でも2〜3店舗を比較し、最も高い査定額を提示してくれたお店を選ぶのが、高価買取の鉄則です。
ダイヤモンドなどが付いたジュエリーの場合は「鑑定書」、ブランド品の場合は「保証書(ギャランティーカード)」や「箱」といった付属品を、全て揃えて査定に出しましょう。
付属品は、その品物が本物であることと、その品質を客観的に証明するための重要な要素です。付属品が揃っていると、お店側も再販しやすくなるため、その価値が買取価格に上乗せされる可能性が高まります。
プラチナを査定に出す前に、購入時の付属品が残っていないか探してみてください。
プラチナの査定前には、柔らかい布で優しく拭くなどして、品物をできる限りきれいな状態にしておくことも、査定額アップのための大切なポイントです。
見た目の第一印象は、査定額に影響します。皮脂汚れやくすみを取り除くだけで、「大切に扱われてきた品物」という良い印象を与えられます。ただし、研磨剤などで強くこすると、かえって傷つく原因になるため、あくまで表面の汚れを優しく拭う程度に留めましょう。
このひと手間が、査定士との良好なコミュニケーションにも繋がります。
信頼できるプラチナ買取店を選ぶには、「当日の買取相場を公表しているか」「目の前で計量・査定してくれるか」「手数料が無料か」という3点を確認することが重要です。
ウェブサイトなどで1gあたりの買取価格を公表し、お客様の目の前で透明性の高い査定をおこなうお店は、誠実である可能性が高いです。逆に、手数料の名目で査定額から不明瞭な金額を差し引く業者には注意が必要です。
査定時の対応や提示される買取価格の透明性を基準に、お店を選びましょう。

資産としてプラチナへの投資を考える際は、その工業用金属としての性質を深く理解し、金とは異なるリスクとリターンを持つと把握しておく必要があります。
プラチナ価格は、金のようにもっぱら金融情勢で動くのではなく、自動車産業や将来の水素エネルギーといった、特定の産業の景気や技術革新に大きく依存します。そのため、高い成長性も期待できる一方、価格変動リスクも大きい、やや上級者向けの投資対象といえるでしょう。
ポートフォリオにおいて、プラチナは、守りの資産である金とは対照的に、景気拡大の恩恵を受けやすい「攻め」のコモディティ資産と位置づけられます。
金融不安時に価値が上がる金に対し、プラチナは好景気で工業製品の需要が高まると価格が上昇する傾向にあります。そのため、金とプラチナを両方保有すると、異なる経済局面でリスクを分散させる効果が期待できるのです。
ただし、価格変動は金よりも激しくなりやすいため、資産全体のごく一部を、高いリターンを狙うサテライト資産として組み入れるのが一般的です。
プラチナに投資する具体的な方法には、主に「現物(地金・コイン)の購入」「純プラチナ積立」「投資信託・ETF」の3つがあり、それぞれに特徴と注意点があります。
「現物」は所有する安心感がありますが、保管コストや盗難リスクが伴います。「純プラチナ積立」は、少額から始められますが、手数料をよく確認する必要があります。「投資信託・ETF」は、証券口座で手軽に売買できますが、現物を保有することはできません。
ご自身の投資目的や知識レベル、そして許容できるリスクの大きさに合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
この記事では、プラチナ価格が高騰する理由を、供給・需要の両面から解説し、金との違いや今後の見通し、そして具体的な売買の考え方までをご紹介しました。
プラチナの価値は「安全資産」の金とは異なり、自動車産業や、水素社会といった「未来の産業」の動向に大きく左右される、成長性とリスクを併せ持った貴金属です。
ぜひ、この記事で得た知識をもとに、短期的な価格の波に一喜一憂せず、ご自身の資産全体の中で、プラチナをどう位置づけるか、長期的な視点で冷静に判断してください。
質屋CLOAKでは、プラチナの質入れ・買取ともに対応しております。名古屋エリアで「お金が必要になった」「自宅に不要なものがある」などで質屋・買取の利用をご検討されている方は、ぜひ質屋CLOAKをご利用ください。

監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

名古屋大須の質屋・買取店
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