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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2025年03月31日
投稿日 : 2023年11月17日

「金とプラチナって、どっぢのほうが価値が高いの?」と疑問に思ったことはありませんか?金とプラチナの価値について知ることは、投資先を決めるうえでも非常に大切です。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
この記事を読むことで、金・プラチナの価値について理解できるうえに、どちらに投資すべきかも決められます。金やプラチナへの投資を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

では早速、金とプラチナで価値が高いのはどちらなのか、以下2つの項目に分けてそれぞれ解説していきます。
資産価値だけを比較すると、金のほうが高いです。つまり、金のほうが1gあたりの相場が高く、市場でも高値で取引されています。実際に、2023年11月時点では金とプラチナの相場は2倍以上の開きがあります。
金はジュエリーや宝飾品の需要が根強いです。古来より価値のある素材として認識されてきた金は、世界的な資産としての地位も確立しており、投資目的での需要も著しいです。
一方、工業用途での金はプラチナと比べるとそれほど使用されず、工業的需要の変動に左右されることが少ないという特徴もあります。
よって、景気状況に左右されにくく安定して投資目的の需要が高い金のほうが、資産価値が高くなっています。
希少価値だけを見てみると、金よりもプラチナのほうが高くなっています。それぞれの「年間採掘量」と「総量」を調べると、希少価値の違いがよくわかります。
プラチナの年間採掘量は「約200トン」であり、金の年間生産量の「約3,000トン」と比較して15倍も採掘量が少ないです。
また、プラチナの総量は「約16,000トン」とされており、金の総量とされる「約200,000トン」と比較するとその差は歴然です。
| 年間採掘量 | 総量 | |
| プラチナ | 約200トン | 約16,000トン |
| 金 | 約3,000トン | 約16,000トン |
つまり、プラチナは金と比較して「年間で採掘できる量が少ないうえに最終的に採掘できる量も少ない=希少価値が高い」といえます。

現在は2倍以上も相場に差ができた金とプラチナですが、実はプラチナのほうが相場が高い時期があったんです。ではなぜ、金とプラチナの資産価値・相場は逆転したのでしょうか。
「金とプラチナの資産価値逆転」の背景には、それぞれの需要の違いが大きく関わっています。
金は主に宝飾品や投資目的で需要がありますが、プラチナは、工業用途での需要(主に自動車産業)が大きいです。以下の表に詳しくまとめました。
| 種類 | 主な需要 |
| プラチナ | 日本国内ではジュエリーとしても人気が高いプラチナだが、世界的にみると工業用途の需要が高い。 特に、車の売上低迷はプラチナ価格の低下に直結する。 |
| 金 | 主な需要は宝飾品や「安全資産」「有事の金」としての投資目的。 そのため、産業需要の影響を受けることは少ない。 |
プラチナは、自動車市場や経済の変動によって価格が動きやすくなっています。たとえば、自動車販売が落ち込むと、プラチナの価格も下落します。実際に、2008年のリーマンショックや2015年の自動車産業の排ガス問題は、プラチナ価格に大きな影響を与えました。
一方で、金はインフレや政治的な不安定さがある際にも価値が下がりにくく、資産保全としての需要が増える傾向にあります。最近では、新型コロナウイルスの流行やウクライナ危機などによって金の需要が高まり、価格が上昇しています。
以上のような要因から、金とプラチナの資産価値は逆転し、現在でもその差は拡大しているんです。
今投資目的で買うなら、「金」がおすすめです。その理由として、以下の2つをご紹介します。
金は、他の資産に比べて資産価値の安定性が高いことが特長です。不景気時には「安全資産」としての需要が高まる傾向にあり、金を保有する動きが広がりやすいです。
金相場は日々変動しているため、短期的に見ると相場が下がるリスクはもちろんあります。ですが、長期的な視点で見ると今後も上がっていくことが予測されます。そのため、今投資目的で買うなら「金」がおすすめです。
今後の金相場の見通しについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
プラチナの需要は、大半が工業用品や自動車部品などの工業需要によるものです。よって、各産業の需要及び世界の経済状況で価値が変動しやすいという特徴があります。実際2008年のリーマンショック時には自動車産業の低迷により、プラチナ価格も下落しました。
反対に、将来的な価値の上昇を狙って、低価格時にプラチナを今のうちに購入しておく投資家も一定数いるというのも事実です。

何に投資するかを悩んでいる方にとって、今後金とプラチナの価値へ影響する要因がどのようなものか把握しておくことが、特に重要です。価値に影響する要因を正しく理解することで、売買のタイミングを上手に見極められます。
今後金の価値に影響する要因として、以下の5つを解説していきます。
世界経済の変動は、金の価値に直接影響を与えます。特に、経済恐慌への不安や金融市場の不安定化が世界規模で起こると、安全資産である金への投資が増え、金の価値が上昇します。2020年代以降でいうと、新型コロナウイルスの流行時に金の価値が大幅に上昇したのが良い例です。
一方で、経済や金融市場が安定すると、金の価値の上昇は鈍化し下落傾向を見せることがあります。
一般に、需要が供給を上回ると価値は上昇し、その逆の場合は下落します。金の市場もこの原則に従います。
地球上の金の総量には限界があり、供給量は徐々に減少していくと予想されます。同時に、金の資産価値は安定しており、需要の急激な減少は考えにくいです。この現状が続けば、将来的に金の価値は上昇すると予測されます。金の埋蔵量については、以下の記事を参考にしてください。
アメリカの通貨である米ドルの価格変動は、世界経済および金の市場価値に影響を与えます。一般的に米ドルと金の価格は逆相関の関係にあり、米ドルの価値が上がると金の価値は下落する傾向があります。
地政学リスクとは、紛争・テロ・大企業の倒産・国家規模の財政破綻などによって、特定地域や世界全体の安定性が損なわれることを指します。これらのリスクが高まると、不確実性に備えて金を求める動きが増え、金の需要と価値が上昇します。たとえば、2022年のウクライナ情勢の悪化は、金相場を押し上げる要因となりました。
逆に、世界情勢が安定すると金の価値は下落しやすくなります。
中央銀行は、景気や物価の安定を目指して政策金利を設定します。以下のような流れができると、金の価値が相対的に上昇することがあります。
金の価値については以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
次に、今後プラチナの価値に影響すると考えられる4つの要因として、以下の項目を解説していきます。
プラチナ価格は生産国・消費国の経済状況に左右されます。
プラチナの主要な産出国である南アフリカ共和国が全生産の70%を、ロシアが12%を占めており、両国の経済動向がプラチナの市場価格に直接影響を及ぼします。1998年のロシア金融危機や2008年のリーマンショック前の南アフリカの経済状況は、プラチナの価値上昇に起因しました。
加えて、プラチナの主要消費国である日本、中国、ヨーロッパの経済状況も価格に影響を与える重要な要素です。
プラチナは工業分野、特に自動車業界からの需要が大きいです。
2020年には、第2四半期の低迷から第4四半期にかけてプラチナの市場需要が2019年水準を超えるほどに上昇しました。プラチナが使われているディーゼル車の需要増加が主な背景です。
また、新型コロナウイルスによる経済活動の停滞からの回復が、プラチナの価値を押し上げる一因となっています。
世界が炭素社会から水素社会への移行を進めている中、燃料電池車・水素生成装置などにプラチナが使用されます。そのため、脱炭素化が進めばプラチナの価値も上昇する可能性も。
水素社会への移行が今後どの程度進むかが、プラチナの価値に大きく影響すると予想されます。
自動車業界においては、パラジウムの高騰により、代替としてプラチナの使用が増えています。
これまでは、ガソリン車の排気ガス処理には安価なパラジウムが使われていました。しかし、パラジウムの価格が上昇するにつれて、コスト削減のためにプラチナへの切り替えが進んでいます。この動きはプラチナの需要を増やし、結果として価値の上昇につながっています。
金とプラチナでは、金のほうが「資産価値」が高いです。以前はプラチナのほうが資産価値の高い時期があったものの、主となる需要の違いから、現在では価値が逆転しています。
金は現在も相場上昇傾向にあるため、今投資目的で買うなら金がおすすめです。とはいえ、プラチナも工業需要が高まれば相場が上昇する可能性も高いため、金・プラチナともに相場を日々チェックし、買い時や売り時を見極めてください。金購入時の注意点については、以下の記事を参考にしてください。

監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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