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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2025年03月31日
投稿日 : 2023年10月31日

「金の価値がなくなる」や「金の価値は下がらない」など、金の価値や相場についていろいろな話を耳にしたことはありませんか?結論、「金の価値がなくなることはないが、金の価値が下がることはある」というのが真実です。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
記事の後半では、今後の金相場の予測についてもまとめています。金への投資をお考えの方や金の売却をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
結論、将来的に見て金の価値がなくなることはないとされています。確かに金の相場は毎日のように変動しており、日によっては前日と比較して低くなることもありますが、それでも金そのものの価値が落ちているわけではないんです。
価値がなくならないとされる金は、その他の資産と比較して安定性が高く、「有事の金」として人気があります。
たとえば、貨幣や株式のような「金融資産」は、関連する国や企業の経済状況が悪化しインフレが進むとと、その価値を一瞬にして失い、ただの紙切れと化すことさえあります。一方、金はインフレの影響を受けにくい実物資産で、実際に経済状況が悪化しても、金の価値は安定しています。
経済状況が悪化することで貨幣や株式の価値が低下するのと同時に、多くの人々が資産を保護する手段として金を求め、その結果金の価格は上昇することが多いのです。
これが、金が「有事の金」として注目され、その他の資産よりも安定性が高い理由となっています。

では、なぜ金の価値がなくならないとされているのか、ポイントを5つに分けて解説していきます。
金の埋蔵量には限りがあり、いずれ採掘できる金はなくなるとされています。
人類が地球から採り出してきた金の量は、推定で200,000トン以上にものぼる一方、現在も地中に存在する金の埋蔵量は約50,000トンとされています。金は年間で3,000〜3,500トン程度採掘されていますから、あと15年程度もすれば採掘できる金がなくなるという計算です。
ちなみに、金の埋蔵量とは、あくまで「現代の技術で採掘できる金の量」を指します。時代が進むにつれて技術も進歩すれば、採掘できる金の埋蔵量は増えるんです。
ですが、金の埋蔵量に限りがあるのは変わらないため、その分価値も高くなっています。
金は、数ある金属のなかでも見た目が特に美しく、常に需要が高いです。
古代から現代まで、金の美しい輝きは私たちを魅了してきました。特に、その美しさから金製の「宝飾品」は時代を問わず愛されています。
今日でも、金はジュエリーとしての需要が1番高く、今後もその傾向が変わる兆しはありません。
さらに、金は宝飾品以外にも利用シーンがあります。たとえば、工業界では、高度な半導体チップに金が使われるほか、歯科治療においても金歯として利用されています。
そして、金は世界共通の資産としての役割も果たしています。多くの国々の中央銀行は、金を重要な外貨準備として保有しています。
これらの多岐にわたる用途から、金の需要が突然消滅する可能性は極めて低いです。
金は加工がしやすいうえ、錆びず、ほとんどの化学物質に反応しない耐久性の高さも持っています。これらの特性から、金はジュエリーだけでなく機械製品などさまざまな用途で重宝されているのです。
正確には金を人工的に作り出すことは可能といわれていますが、金の生産には膨大なコストがかかるため、人の手によって金が作られることは今のところありません。
よって、現在市場で取引されている金は、すべて自然界から採取されたものです。人工的に生み出せない金属だからこそ、金の価値はより高いといえるでしょう。
金の「不変性」は、その価値を保っている鍵となる要素です。
金は酸化や腐食の影響を受けにくく、空気や水にさらされてもその質は変わらない不変性を持っています。高温にさらされても、または酸やアルカリの環境下でも、金はその安定性を保ち続けます。
この一貫した安定性が、金の魅力と金属として高い価値を保つ理由となっているのです。

一方で、金の価値が下がることはあるのも事実です。「金の価値は下がらない」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、残念ながらそれは間違いです。
実際に金相場のチャートを見てみても、一時的に下がっているタイミングは多々あります。つまり、金の価値が下がっているタイミングは少なくないというわけです。
では、どのようなときに金の価値や相場が上下するのでしょうか。今回は、以下5つの要因について解説していきます。
金の価値・相場には、「地政学リスク」が大きく関係しています。地政学リスクとは、「政治的・軍事的・社会的な緊張感の高まり」のことです。たとえば、以下のようなものがあげられます。
これらは、たとえば地政学リスクが高まったのが特定の地域だとしても金相場に影響します。世界情勢に不安定な事態が生じると、リスクヘッジとして金を購入する人が増え、金の需要が高まり相場や価値が上昇するという流れです。
実際に、アメリカ同時多発テロが発生した2001年には、金の相場が大きく変動しました。また、2022年のウクライナ情勢の悪化は、現在進行形で金相場に影響を与えています。
一般的に、需要が増加し供給が減少すると物の価値は上昇し、需要が減少して供給が増加すると物の価値は下落します。金も同様です。
先述のとおり、金の埋蔵量は決まっています。このままのペースで採掘が進めば、今後金の供給量はますます減少していくことが予想されますが、金の需要が減少することはないでしょう。そのため、今後も金の相場は上昇すると考えられます。
世界的にみて、金は「ドル建て」によって取引されることが多いため、米ドルの価値は金の価値に大きな影響を与えます。
一般的に、米ドルの価値が上がると金価格は下がる傾向にあります。つまり、逆相関の関係です。ですが、過去には米ドルの価値が上がったタイミングで金の価値が上がったこともありました。
「米ドルの価値」はあくまで金の価値を決める一要因にすぎず、さまざまな側面から金の価値が決まっているということは覚えておきましょう。
世界的な経済状況の変化は、金の価値や相場に大きく影響します。
世界的に経済不安や金融不安が広がると、より安定した資産を保有しようと、多くの人が金を購入します。世界経済が安定しているときよりも不安定なときのほうが、金の相場は上がりやすいのです。
近年では、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行のような世界を揺るがす大きな出来事があったときに、金の相場が大きく上昇しました。反対に、新型コロナウイルス感染症が収束し、世界経済が安定するようになれば、逆に金の相場は下がる可能性もあるでしょう。
政策金利が低くなると金の価値は下がり、政策金利が高くなると金の価値は上がるといわれています。
各国の中央銀行が設定する政策金利が低い場合は、民間銀行はより多くのお金を企業や個人へ貸し出すようになり、市場の貨幣流通量が増えます。貨幣流通量が増加すると通貨の価値が下落するため、相対的に金価格は上昇します。逆に、政策金利が高い場合は資金流通量が減少し、金価格は相対的に下落するのです。
金の価値・相場は、2000年以降高騰を続けています。特に、2020年以降は歴史的な高騰を続け、2023年に入ってからは1g10,000円の大台を突破し、過去最高水準の金相場をキープしています。
このような歴史的な高騰には、以下のような要因があります。
やはり、地政学リスクや経済状況が関係していることが多く、投資家たちの金への注目が高まることで、金の価値・相場が高騰しているんです。近年の金価格高騰については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
では、今後金の価値はどうなっていくのでしょうか。
結論、短期的に見れば「短期的予測では落ち着く・下がる」といった可能性がありますが、10年単位で長期的に見れば、緩やかに上昇していく見込みです。
ですが、いくら金に精通している専門家であっても、金の価値変動を正確に予測することは困難です。何かのきっかけで突然金相場が変動することもあり得るため、金への投資や売却を考えている方は、逐一チャートを確認すべきです。
金の価格が今度どうなっていくのかについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
金相場は、2023年に入ってから1g10,000円を突破し、以降もなお上昇を続けています。ですが、今後一時的にでも金相場が下がる可能性は否定できません。
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金を売るときの注意点については以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
ここからは、「金の価値がなくなる」に関連するよくある質問について、回答していきます。
今後金の価値が暴落する可能性は極めて低いです。
金の価格は、国際的な市場の動き、経済の変動、政治的事件、および供給と需要のバランスなど、多くの要因に影響されます。これにより、短期間での価格の急変動が生じることもあり得ます。特に、経済の大きな変動や供給の急増があったとき、価格は一時的に落ち込むことが考えられます。
とはいえ、長い歴史を通じて、金の価値は概して安定しており、大きな長期的な価格低下は稀です。
金の価格の将来的な動向を確実に予測するのは困難ですが、今後も金の価値は上昇していくといえます。
金は伝統的にインフレや経済の不安定な状況から資産を保護するための避難先として利用されてきました。経済が不安定な局面や他の投資先の将来が不確実なとき、金への投資需要は増えることがあります。
そのため、将来的に金の価値が上昇する可能性は十分に考えられます。
ただし、金への投資をおこなう際には、関連するリスクをよく理解し、専門家の助言を求めることが必要です。
金は「有事の金」と呼ばれ、安定して高い価値を保っています。そのため、金の価値がなくなるということは考えにくく、おすすめの投資先といえます。
ですが、今後金の価値が下がる可能性は十分にあり得ます。特に金相場は毎日変動しており、さまざまな要因から上下を繰り返しています。
そのため、金相場が歴史的高推移を見せている今が「金の売り時」です。金の投資で確実に利益を生みたいとお考えの方は、この機会に売却を検討してみてはいかがでしょうか。

監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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