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  • 金価格が上がりすぎている要因とは?今後の金価格動向予測


    category: 貴金属についての豆知識

    最終更新日 : 2024年03月14日
    投稿日 : 2024年03月14日


    最近の金価格動向をみて、「金価格が上がりすぎている」と感じている方は多いのではないでしょうか。実際、2024年に入ってから金価格はさらに上昇傾向をみせ、歴史を見ても最高水準をキープしています。

    そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。

    • 金の需要はなぜ衰えない?
    • 2020年以降金価格が上がっている7つの要因
    • 金価格は今後も上がっていく?10年後の予測
    • 今金を買うべき?売るべき?
    • 金を高く売るためのコツ3選

    この記事を読むことで、なぜ今金の価格が上がっていて、今後どうなる可能性があるのかを理解できます。ぜひ最後までご覧ください。

    2024年現在、金価格が上がりすぎている?

    2014年以来上昇傾向をみせていた金価格。それから10年経過した2024年の今もなお、金価格は上がり続けています。

    2024年3月現在、金の相場はついに1g11,000円を突破しました。最安値をつけていた1990年代の1g865円と比較すると、約13倍の数字です。以前の金価格を知っている方からすれば、金価格が上がりすぎていると感じるのは当たり前のことといえます。

    金価格が高騰を続けているのには、「金に対する需要」が大きく関わっているんです。さまざまな理由から金の需要が増加し、比例するように金価格も高騰しています。

    なぜ金の需要は衰えないのか

    では、なぜ金の需要は衰えないのでしょうか。金が市場で高く評価されているのは、金が信用リスクのない安全資産だからです。

    2007年に起きたサブプライムローン問題が引き金となり、世界中に波及した金融危機の結果、それまでのドル中心の体制に終止符が打たれ、多くの投資先が安全性と信頼性の高い「金」に移行しました。また同時に、インフレへの懸念が大きくなり、株式や債券・各種通貨よりも、価値が落ちるリスクのない金に対する関心が高まりました。その後も金投資活性の潤滑剤として金ETF(Exchange Traded Fund)が登場したこともあり、多くの投資家が金の取引に積極的になっています。

    そして、金を購入しているのは個人だけではありません。国家単位でも金への需要が増加しているのです。最近では主に中国による金購入の動きが活発化し、金に対する需要はより高まっています。

    2020年以降金価格が上がっている要因


    金価格は、2020年以降特に大きく上昇傾向を見せています。2020年以降で金価格が上がっている要因として、具体的に以下の7個が考えられます。

    1. 新型コロナウイルスの流行
    2. ロシアによるウクライナ侵攻
    3. 継続的な円安
    4. 世界経済に対する不安
    5. 主要国の低金利
    6. 新興国を中心とした金需要の増加
    7. 中東情勢の悪化

    それぞれ詳しく解説をしていきます。

    要因①新型コロナウイルスの流行

    2020年2月、新型コロナウイルス感染症が世界中で流行しはじめると、世界経済に対する不安と株価下落が相まって、多くの投資家が金を購入していきました。その後は、金売却の動きが活発になったことで一時金価格が下がったものの、各国が打ち出した経済政策や金融緩和政策によって株価が回復すると同時に、金価格も株価の上昇を超える速さで持ち直していったのです。

    要因②ロシアによるウクライナ侵攻

    2022年に発生したロシアによるウクライナ侵攻は、世界経済に深刻な影響を及ぼしました。景気の後退が恐れられるなかで、投資家たちが安全資産である金に目を向けたことで、金価格は上昇の一途をたどっています。

    ロシアに対してアメリカを中心に対ロシア制裁がおこなわれたことも、金価格を押し上げる要因となりました。また、アメリカと関係が良くない国々が金への投資を増やしていることも、金価格上昇に寄与しているとされています。

    要因③継続的な円安

    金価格には為替も影響するのです。金の取引は世界的にドル建てでおこなわれており、日本ではドル円相場に基づいて円建てで金価格が決まります。円が安くなると、日本における金の価格は上昇する傾向にあります。

    2024年3月時点でドル円相場は140円台後半を推移しており、歴史を見ても特に顕著な円安状態です。日本では長きにわたり超低金利政策が続けられているのに対し、アメリカではコロナショック後に下げられた政策金利を2022年3月以降、徐々に上げてインフレを抑制しようとしています。この日米間の金利差が、円を売ってドルを買う動きを促し、円安ドル高を引き起こしていると考えられています。

    要因④世界経済に対する不安

    世界経済に対する不安は、金価格に大きく影響しています。

    経済状況に影響を受けない安全資産の金は、信用リスクがないことが魅力です。現在、ロシアとウクライナの間での戦争が続いており、これが世界経済に大きな影響を及ぼしています。加えて2023年にはアメリカで銀行の破綻が起こり、金融システムへの不安が増大しました。これらによって経済の先行きへの懸念が高まると、安全資産である金への需要が増し、結果として価格が上昇します。

    要因⑤主要国の低金利

    金には金利がつかないため、金利が高い時期には他の金融資産を保有するほうが収益性が高くなります。しかし、主要国で低金利が続く現在のような時期は、債権などを保有しても得られる利益が限定的であり、金を優先的に保有しても利益は大して変わりません。そのため低金利が続く現在は、金への需要がより高まっていると考えられます。

    ただ2022年3月からはアメリカが利上げを始め、米国の金利は上昇傾向にあります。ですが金価格が依然として高い水準を維持しているのは、世界経済への不安が背景にあるためです。

    要因⑥新興国を中心とした金需要の増加

    新興国を中心に金購入の動きが加速していることも、金価格を引き上げている要因の一つです。各国の中央銀行が、外貨準備に利用するために金を保有していることが関係しています。
    外貨準備とは、ある国がその他の国に対し、外貨建ての債務の返済が難しくなったときに使用される、準備資産のことです。日本の場合は、財務省及び日本銀行が外貨準備を持っています。(参考:外貨準備とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

    外貨準備とは、各国が外貨建ての債務返済が困難になった場合や、外国為替市場での通貨の売買を通じて為替相場の安定を図るために用いられているものです。

    世界経済に対する不安が高まる中で、特に新興国を中心に外貨準備のために金の購入が加速していることが、金価格上昇に繋がっています。

    要因⑦中東情勢の悪化

    2023年〜2024年の金価格上昇には、中東情勢の悪化、特にイスラエル情勢の悪化が大きく関わっています。

    イスラム組織ハマスが2022年10月7日にイスラエルへの攻撃を開始し、ガザ地区とイスラエルの間で戦争状態に突入したことが、金価格の動きに影響を与えました。この攻撃は突発的におこなわれたため、10月9日の市場開始とともにすぐに金価格が上昇を見せました。

    ハマスの攻撃に関しては、主要な産油国であるイランが関与しているとの報告もあり、これが大規模な地域紛争へと発展する恐れがあるとみられています。金は物理的価値を持つ実物資産であり、株式や債券とは異なり発行元の信用リスクを負いません。そのため、今後も中東地域の緊張が続くと、金への投資増加も持続することが予想されます。

    金価格は今後も上がっていく?10年後の予測


    今後10年から20年の間は、金価格は緩やかに上昇する可能性があります。金の供給量が限られており、対して装飾品や電子部品製造などの需要は衰えないと考えられるからです。

    加えて、金を貨幣の代わりとして金を保有する動きが新興国を中心に見られ、需要の低下は予想されにくい状況です。

    金価格が下がる要因になり得るもの

    しかし、金価格が必ずしも上昇し続けるわけではなく、下落する可能性も予測しておく必要があります。金は安全資産のため不安定な世界情勢では需要が高まりますが、情勢が安定し投資家が他の資産へと投資対象を移した場合、金の需要は減少し価格も下落する可能性もあるのです。

    今後金価格が下がったときに考えられる要因として、具体的には以下のようなものがあります。

    • 地政学リスクがなくなり世界情勢が安定する
    • 需要に対して供給が安定する
    • 米ドルの価値が上昇する
    • 世界経済が安定する
    • インフレの懸念がなくなる

    今後は、先述したようなウクライナショックや中東情勢が快方に向かったり、供給が安定したりすることで金価格が下がることも考えられます。将来的に金を売ろうと考えている方は、日々金価格と世界の動向をチェックしてください。

    今金を買うべき?売るべき?

    では、今金を買うべきなのでしょうか。もしくは売るべきなのでしょうか。それぞれ解説していきます。

    金の長期保有が目的なら今買ってもいい

    現在金を購入すべきか、それとも売却すべきか迷っている方は、保有予定期間を検討してみましょう。長期間保有することを考えているなら、今金を購入するのもおすすめ。金価格が、将来的にゆるやかに上昇すると予想されているためです。

    金価格の高い今売るのもおすすめ

    金は、金価格の高いときに売るのが鉄則です。そのため今金を売るのも一つの手段といえます。

    2023年〜2024年で新型コロナウイルスの流行が収束しつつあり、今後ロシアとウクライナの間の戦争も終結に向かう場合、金価格は落ち着くでしょう。さらに、過去3年間にわたって続いた円安も終わり、2024年には円高が進むと予想されています。円高が進めば、ドル円相場の影響を受ける金価格は下落する可能性が高いです。

    将来の金価格動向は不透明なため、長期保有の予定がなければ、今が売却するタイミングかもしれません。

    金は質屋や買取専門店で売ろう

    金を売る場合は、信頼できる質屋や買取専門店を利用することが大切です。信頼できる質屋や買取専門店であれば、日々変動する金価格を把握し、査定した金を適切な価格で買取ってもらえます。

    査定してもらう質屋・買取専門店を選ぶときは、以下のポイントを実践してみてください。

    1. 店舗の口コミを確認する
    2. 店舗の買取実績を確認する
    3. 金専門の査定士がいるか確認する
    4. 一つの店舗だけでなく複数店舗で査定してもらう

    せっかく高価買取を狙える金ですから、自分にとって納得のいく価格で買取ってもらうためにも、店舗選びのポイントを把握しておきましょう。

    金を高く売るためのコツ3選


    金を売ろうと決めた方は、1円でも高く売るために以下3つのコツを覚えてください。

    • 金価格の値動きを把握する
    • 金の純度を把握する
    • 査定前に自分でも重量を測っておく

    それぞれ解説していきます。

    コツ①金価格の値動きを把握する

    金の価格は毎日変動するため、少しでも高い時期を選べば大きな利益を得ることができます。売るタイミングを見極めるためにも、定期的に金価格の値動きをチェックしましょう。

    金価格の予想はプロでも難しいため、「このくらいの価格になったら金を売ろう」と事前に考えておくのがおすすめです。

    コツ②金の純度を把握する

    金の買取価格を左右する重要な要素の一つが純度です。金だけでなく、プラチナや銀などの貴金属には純度を示す刻印がされているので、そこで確認できます。

    金の純度は、24分率が用いられることが多く、24Kを一番高い純度として数字が下がるごとに純度が下がっていきます。そして、純度が高いほうが金が多く含まれているため、買取価格も高くなるのです。

    刻印には「K24」「24K」など様々な種類があるので、一度確認してみてください。

    コツ③査定前に自分でも重量を測っておく

    金を買取に出す前に、自分で重量を測ってみると良いでしょう。事前に重量を知っていれば、大体の買取価格を予測できます。

    また、買取店の不正に気づくためにも、事前に重量を把握しておくべきです。悪徳な買取店であれば、金の重量を誤魔化すことも考えられます。正確な重さを自分で測るのは難しいかもしれませんが、家庭用のキッチンスケールで大まかな重さは把握できるので、査定に出す前にチェックしてください。

    まとめ

    2024年現在、金価格は1g11,000円を突破し、以前の金価格を知っている方からすれば上がりすぎているという印象を持つのも当然です。一番金価格が低かったときとひかくすれば、約13倍の金額になっています。

    近年金価格が上昇しているのは、世界情勢や経済が悪化していることでインフレに対する懸念が大きくなっていることが起因しています。今後も緩やかに上昇すると予測されるため、金の長期保有もおすすめです。

    ただ、金価格が高い時期に必ず売りたい・リスクを下げたいとお考えの方は、今が売り時といえます。

    質屋CLOAKでは、金関連商品の質入れ・買取ともに対応しております。名古屋エリアで「お金が必要になった」「自宅に不要なものがある」などで質屋・買取の利用をご検討されている方は、ぜひ質屋CLOAKをご利用ください。

    監修:井上 男(だん)

    金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
    査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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