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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2026年02月01日
投稿日 : 2026年02月01日

最近のニュースで金価格の急騰を耳にするたび、お手持ちのジュエリーやインゴットの今後が気になりますよね。金はダイヤモンドのように複雑な評価基準があるわけではなく、世界共通の相場で動くため、一見分かりやすい資産に思えます。
しかし、なぜこれほどまでに重宝されているのか、その用途や理由を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、金が持つ多様な用途とその価値を支える理由を詳しく解説します。不変の価値を持つ金はなぜ需要が高いのか、どのような場面で役立っているのかを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
金のもっとも代表的な使い道は、将来の備えや財産を守るための資産としての活用です。古くから金は世界共通の価値を持つ実物資産として絶大な信頼を集めてきました。
現在でも多くの投資家が、自分の大切な資産を分散して守る手段として、インゴットや金貨を大切に保有しています。株や債券などのペーパーアセットと異なり、金そのものが価値を持つのが最大の特徴です。
近年の金価格は、歴史的な高値を更新し続けるほど大きく上昇しています。
2000年代に入ってから上昇基調が続いており、とくに2020年以降は世界情勢の不安や円安の影響を受けて国内価格も急騰しました。かつては1グラムあたり1,000円以下だった時期もありましたが、現在では1gあたり27,985円(2026年1月28日時点)の価値がついています。
この先も地球上の供給量には限りがあるため、需要が続く限り価格が大きく下がる可能性は低いと予想されます。売却を考えている方にとっては、まさに今は絶好のチャンスといえるでしょう。
金が投資の対象として高い人気を誇るのは、以下のような理由が関係しています。
詳しく解説します。
金は現物そのものに価値があるため、株や紙幣のように価値がゼロになることはありません。
会社が倒産すれば株券は紙切れになりますし、国の信用が落ちれば通貨の価値も暴落します。一方、金は数千年前からずっと価値が認められてきた不滅の物質です。
金は地球上に存在する量が決まっているため、存在そのものが希少な財産として扱われます。この「絶対になくならない」という強みこそが、世界中の投資家から選ばれている最大の理由です。
金は物価が上がるインフレの状態において、資産の価値を維持する力が非常に強いです。
世の中の物の値段が上がると、相対的にお金の価値は下がってしまいます。そのような状況でも金は「物」としての側面を持つため、インフレに合わせて価格が上昇するのが一般的です。そのため、現金を金に換えて持っておくのは、自分の資産の購買力を守る有効な手段となります。
将来的なお金の価値に不安を感じる方にとって、金はもっとも信頼できる守りの資産といえるでしょう。
戦争や経済危機など世界が不安定な状況になると、金の需要は一気に高まります。これを投資の世界では「有事の金」と呼び、リスクを避けるためのもっとも安全な避難先として認識されています。
他国の通貨や企業の株が信用できなくなったとき、世界共通の価値を持つ金に人気が集中するのは自然な流れです。地政学的な不安がニュースで流れるたびに金価格が上がるのは、多くの人が金に安心を求めている証拠といえます。
金がこれほどまでに高値で取引されるのは、地球上に存在する量が極めて少ないからです。これまでに人類が採掘した金の総量は、オリンピック公式プール約4杯分ほどしかありません。さらに地中に眠っている未採掘の量も限られており、人工的に作り出すのも不可能です。
このように金の供給が制限されている一方で、需要は増え続けています。欲しい人が多いのに手に入る量が少ないというバランスが、金の価値を長期間にわたって支える大きな要因となっているのです。
金への投資には、自分に合ったスタイルを選べるいくつかの方法があります。
もっとも身近なのは、インゴットや金貨を直接購入して自宅で保管する現物投資です。また、毎月決まった金額を積み立てていく「純金積立」なら、少額からでも無理なく始められます。保管の心配をしたくない場合は、証券口座を通じて売買をおこなう金ETF(上場投資信託)という選択肢も便利です。
それぞれの方法にメリットと注意点があるため、目的や予算に合わせて最適な手段を選ぶのが成功の鍵となります。

金は太古の昔から、人々を魅了する美しい宝飾品としてもっとも多く利用されてきました。現在でも世界中で生産される金の半分近くが、指輪やネックレスなどのジュエリー加工に使われています。
身につける楽しみと、資産としての価値を同時に持てるのが魅力です。
金がジュエリーに選ばれる理由として、以下の4点が挙げられます。
それぞれ解説します。
金は化学的に非常に安定しているため、汗や水分、化粧品などによって劣化することがありません。お風呂やプールにそのまま入っても変質しにくいのは、ほかの金属にはない大きな強みといえます。
また、酸やアルカリにも強いため、日常生活のなかで輝きが鈍る心配がほとんどないのが嬉しいポイントです。手入れの負担が少なく、何十年と使い続けても美しさを維持できるのが、金のジュエリーを一生モノの財産にする大きな理由となっています。
金はアレルギー反応を起こしにくい金属として知られており、肌が敏感な方でも安心して身につけられます。
多くの金属アレルギーは、汗などで溶け出した金属イオンが原因で起こります。しかし、金は耐食性が高くイオン化しにくいため、皮膚にトラブルを招くのが非常に少ないのです。
とくにピアスのように直接体に触れるジュエリーでは、安全性が重宝されています。ただし、硬さを出すために混ぜられているほかの金属が原因になる場合もあるため、純度の高いものを選ぶと安心です。
金は非常に柔らかく伸びやすい性質を持っているため、複雑で細かい細工をおこなうのに最適です。
たとえば、髪の毛よりも細い糸状に伸ばしたり、極限まで薄い箔にしたりするのも金なら自由自在です。この加工のしやすさがあるからこそ、世界中のジュエリーデザイナーは独創的で美しい造形を作り出すことができます。
ほかの硬い金属では不可能な、指に馴染む滑らかな曲線や細かな模様を表現できるのが金のメリットです。
宝飾品・ジュエリーに使われる金には、以下のような純度のものが使用されています。
| 金の純度 | 金の含有率 | 主な特徴・用途 |
| K20(20金) | 約83.3% | 純金に近い輝きを持ちながら、加工に耐えうる硬さを備えています。 海外、とくに東南アジアでのジュエリーや、日本国内の古い工芸品などによく見られます。 |
| K18(18金) | 75% | 高級ジュエリーの王道とされる純度です。 変色しにくく、美しい黄金色と日常使いに耐える強度のバランスがもっとも良いため、資産価値も高く評価されます。 |
| K14(14金) | 約58.5% | K18に比べて硬度が非常に高く、傷がつきにくいのが特徴です。 ハワイアンジュエリーや万年筆のペン先、楽器の部品など、実用性と価値の両立が必要な場面で活躍します。 |
| K10(10金) | 約42% | 金の含有量が半分以下であるため、安価で淡い色合いが楽しめます。 カジュアルなファッションジュエリーに多いですが、混合金属の影響で変色しやすい点に注意が必要です。 |
| K9(9金) | 37.5% | イギリスをはじめとする欧州のアンティークジュエリーに伝統的に使われる純度です。 赤みがかった落ち着いた発色が特徴で、ヴィンテージ品として独特の魅力を持っています。 |
金の純度が99.9%以上のK24(24金)は、非常に柔らかいため傷がつきやすく、日常使いのジュエリーにはあまり向きません。そこで一般的には、銀や銅を混ぜて強度を高めたK18(純度75%)がもっとも広く利用されています。
最近では淡い色合いのK10なども人気ですが、資産としての価値を重視するなら、やはりK18以上の純度を選ぶのがおすすめの判断となります。

金はスマートフォンやパソコンといった精密機器の内部に欠かせない素材として使われています。
私たちの身の回りにある電子機器の基板には、髪の毛よりも細い「ボンディングワイヤ」という金の糸が張り巡らされています。また、地上だけでなく宇宙空間で活躍する人工衛星や、過酷な熱にさらされるF1マシンのエンジンルームの遮熱材としても採用されています。
目に見えない場所で私たちの生活を支えているのが金の大きな役割です。
私たちの生活に欠かせないスマートフォンやパソコンの基板には、多くの金が使われています。金はごくわずかな量であっても、正確に電気の信号を伝える重要な役割を果たしているのです。
電子機器以外では、人工衛星の表面を覆う金色のシートや、宇宙飛行士が被るヘルメットのシールドにも金が塗られています。これは、太陽から届く強力な放射線や熱を跳ね返すために必要な技術です。
最新のハイテク製品において、金は代わりのきかない特別な存在といえます。
金が工業製品に採用されるのには、以下4つの性質が関係しています。
詳しく見みいきましょう。
金は酸素や水分と反応して錆びたり、形が変わったりしない非常に安定した金属です。鉄や銅のように空気に触れて変色する心配がないため、精密な回路の接点に使用するのに最適といえます。
たとえば、スマートフォンの内部は熱がこもりやすいですが、金ならそのような状況でも劣化することなく電気を流し続けます。いつまでも新品のときと同じ品質を保てるのが、金の持つ化学的な強みです。
金は電気をスムーズに流し、微細な信号を正確に伝える力が非常に優れています。電気が通りやすいと、情報の処理スピードが上がったり、電力の無駄を抑えたりすることが可能になります。とくに最新のデジタル機器では、一瞬の遅れも許されない複雑な計算をおこなうため、金の高い導電性が重宝されているのです。
また、銀や銅に比べて錆びにくいという特徴も合わさることで、常に安定した通信環境を維持できるようになります。
金はすべての金属のなかで、もっとも薄く広げたり細く伸ばしたりするのが得意な性質を持っています。わずか1gの金があれば、約3,000mもの細い糸にまで伸ばせるほどです。
金の加工のしやすさを活かすと、顕微鏡でしか見えないような小さな半導体チップの配線もおこなえます。他の硬い金属では不可能なほど細かく複雑な形にできるのが、電子機器の小型化を支える大きな要因です。
金は熱を運ぶ赤外線を鏡のように跳ね返す力が、ほかの金属に比べて圧倒的に高いです。この性質を利用すると、強い熱から大切な機器や人を守る熱シールドとして機能します。
たとえば、宇宙船の外壁に金が使われているのは、太陽の熱を遮断して船内の温度を一定に保つためです。また、レーシングカーのエンジン周辺に金を貼ると、周囲の部品が熱で溶けるのを防げます。
目には見えない熱の動きをコントロールする場面において、金は優秀な盾となります。
金は、医療分野・歯科分野で広く活用されています。古くから「金歯」として知られているように、口のなかという過酷な場所でも溶け出したり変色したりしないのが特徴です。
ここからは、金が使われている具体的な医療・歯科用品と、医療・歯科分野で金が重宝される理由にはなにがあるかをみていきましょう。
もっとも身近な例は歯科治療で使われる金歯や金の詰め物ですが、最近ではがんの診断キットなどにも金が使われています。
金は非常に小さな粒子にすると、特定の物質と反応して色が変わる性質を持っています。この仕組みを利用すると、インフルエンザなどの感染症を判定する検査薬を高い精度で作れるのです。
また、過去には関節リウマチの治療薬として金を含む薬が処方されていた時期もありました。医療技術が進歩した現在でも、金の持つ力は新しい治療法の開発に役立てられています。
金が医療の現場で選ばれているのは、人体に対して悪い影響を与えず、長期間の使用に耐えられるためです。その理由を、以下3つの理由に分けて解説します。
一つずつ解説します。
金は人との相性が非常に良く、金属アレルギーなどの拒絶反応を引き起こしにくい安全な金属です。体内に異物として入ったときも、拒絶反応が起こるのが少ないため、人工臓器の一部や歯の治療に安心して使用できます。
ほかの金属であれば肌が荒れたり炎症が起きたりする場合もありますが、金ならそのリスクを最小限に抑えられます。一生涯使い続けるような医療器具において、この安全性の高さは何物にも代えがたい価値です。
歯科治療において金が使われるのは、自分の歯と同じような柔らかさを持っており、隙間なくぴったりと重なるからです。
金は噛む力によって少しずつ変形するため、使い続けるうちに自分の噛み合わせに完璧に馴染んでいきます。これにより、詰め物の隙間からバイ菌が入って再び虫歯になるのを防げるようになります。
硬すぎる金属では自分の歯を傷つけてしまう恐れがありますが、金なら周囲の歯を優しく守れるのが利点です。
金には体のなかの炎症を抑える働きがあり、関節の痛みなどの治療に役立てられてきた歴史があります。金の成分が免疫細胞に働きかけると、腫れや痛みの原因となる物質が作られるのを抑えてくれるのです。
現在では飲み薬としての利用は減っていますが、金の持つ科学的なパワーは最新のバイオテクノロジー分野で研究され続けています。
金はお祝いの席で出されるお酒や、豪華な和菓子を彩る「金箔」として食べることができます。金は体内に吸収されることなくそのまま排出されるため、食べても健康に害を及ぼさない安全な食品添加物として認められているのです。
味や香りを変えることはありませんが、料理にひとさじ加えるだけで、その場を一気に華やかに演出してくれます。
金は高級な美容クリームやフェイスマスクの成分として、肌のケアをサポートするために配合されています。金が含まれた化粧品は、その見た目の豪華さだけでなく、肌を健やかに保つ美容効果も期待されているのです。
金をナノサイズに微細化した成分は、肌に潤いを与えてツヤを引き出すのを助けてくれます。また、金の持つ贅沢なイメージは、使う人の気持ちを前向きにしてリラックスさせる効果も持ち合わせています。
金は、投資や宝飾品としての輝きだけでなく、最新テクノロジーや医療現場を支える実用性を兼ね備えた、唯一無二の金属です。化学的な安定性や加工のしやすさといった金ならではの特性が、数千年前から現代、そして宇宙開発という未来にまで続く圧倒的な価値を支えています。
2026年現在、金価格は歴史的な高水準にありますが、その背景には今回ご紹介したような多岐にわたる「実需」があることを覚えておきましょう。
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監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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