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  • プラチナの価格はこれからどうなる?今後の見通しや現在上昇している要因


    category: 貴金属についての豆知識

    最終更新日 : 2025年10月31日
    投稿日 : 2025年10月31日


    「プラチナ投資に興味があるけれど、将来性はどうなんだろう?」
    「プラチナの価格が今後どうなるのか知りたい」

    などと思っていませんか?プラチナの価格を予測するには、短期的な価格の動きやさまざまな情報に影響されず、正しい知識を身につけることが重要です。

    そこで今回は、以下のトピックについて解説します。

    • プラチナ価格の今後の見通し
    • 現在プラチナの価格が上昇している理由
    • これからのプラチナ価格変動に影響する要因
    • プラチナは今「買い時」か「売り時」か
    • プラチナに投資する際の注意点

    この記事を読むことで、プラチナ投資に関する判断材料を得ることができます。

    「プラチナが投資対象として魅力があるのかを知りたい」とお考えの方は、ぜひお読みください。

    目次

    【短期・長期予測】プラチナ価格の今後の見通し


    プラチナ投資を検討するにあたっては、プラチナ価格が今後どうなっていくのか、見通しを持つことが必要です。短期的な見通しと、長期的な見通しについて解説します。

    短期的な見通し:金利動向と景気後退懸念がカギ

    プラチナ価格は、短期的には上昇する可能性があります。世界経済における金利動向は、プラチナ市場に影響を与えるため、アメリカの金融政策に注目しておきましょう。

    また、景気動向にも注意が必要です。現在はコロナ禍が収束し、世界経済が活性化しつつありますが、今後景気が後退するかどうかが、プラチナ価格を左右する1つのカギです。

    長期的な見通し:脱炭素社会(水素・FCV)の需要が左右する

    長期的には、脱酸素社会の需要動向によって、プラチナ価格は上昇する可能性も下落する可能性もあると考えられています。

    プラチナを触媒として使用する、水素生成装置や燃料電池車(FCV)の普及が進むと、プラチナ需要が増えて価格は上昇するでしょう。

    一方、FCVが普及せず電気自動車が普及する場合には、プラチナ価格は下落する可能性もあります。

    現在プラチナの価格が上昇している理由

    現在プラチナの価格が上昇している理由は、以下の4つです。

    • 主要産出国の供給がタイトになっている
    • 自動車産業における需要が増えている
    • 「金より安価な資産」として投資需要が増えている
    • リサイクルによる二次供給が進んでいない

    それぞれについて解説します。

    主要産出国の供給がタイトになっている

    プラチナの主要産出国は南アフリカです。南アフリカ北東部には、世界最大級のブッシュフェルト複合岩体と呼ばれる火成岩の層が広がっており、ブッシュフェルト複合岩体には、プラチナをはじめとする白金族元素が多く含まれています。

    しかし、2025年2月に南アフリカで洪水が発生したことで、プラチナの供給が減少しました。主要産出国の供給がタイトになったことが、プラチナ価格の上昇をもたらしたと考えられています。

    自動車産業における需要が増えている

    自動車には、有毒性のある一酸化炭素や窒素酸化物を、無害な二酸化炭素、窒素、酸素などに変換する「浄化触媒」が使われています。

    近年、ガソリン車の浄化触媒に使用されていたパラジウムの価格が高騰したため、より安価なプラチナに置き換えるケースが増えてきています。

    「金より安価な資産」として投資需要が増えている

    金の需要は安定的であるのに対して、採掘コストは上昇傾向にあります。また、世界的インフレも背景にあり、金の価格高騰が続いてる状態です。

    そのため、相対的にプラチナの値頃感が高まっており、これまで金を選んできた投資家が、より割安な投資対象として、プラチナを選ぶ傾向が増えてきています。「金より安価な資産」としてプラチナへの投資需要が増えているのです。

    リサイクルによる二次供給が進んでいない

    自動車の浄化触媒に使用したプラチナは、廃車になった際に資源として回収してリサイクルできます。リサイクルによる二次供給が進めば供給量が増えるため、プラチナの価格は安定するはずです。

    ところが実際には、自動車産業の技術が向上しているため自動車の製品寿命が伸びて、プラチナの二次供給は進んでいません。

    これからのプラチナ価格変動に影響する5つの要因

    これからのプラチナ価格変動に影響する要因は、以下の5つです。

    • 工業用需要の動向
    • 宝飾品としての需要の動向
    • 供給国の情勢
    • 金(ゴールド)価格との比較
    • 水素・燃料電池車(FCV)など新エネルギー分野の需要

    それぞれについて解説します。

    工業用需要の動向

    プラチナにはさまざまな工業需要があります。自動車関連では、ディーゼル車の排気ガスを浄化する触媒に使われており、ガソリン車の触媒にも使われるようになってきました。

    また、化学分野、ペースメーカーなどの医療分野、ガラス産業においてもプラチナは必要とされています。

    これら工業用需要の動向に、プラチナの価格は影響を受けているのです。

    宝飾品としての需要の動向

    プラチナは結婚指輪、婚約指輪、ネックレスなどの宝飾品にも用いられています。プラチナは、金属アレルギーを起こしにくい、変色しにくいなどの特徴を持っていることから、人気の高いジュエリー素材です。

    近年では、とくに中国における宝飾品需要が高まっており、宝飾品需要が増大した場合、プラチナ価格は上昇すると考えられます。

    供給国の情勢

    供給国の主要産地である南アフリカの政治・経済・災害情勢によっても、プラチナ価格は影響を受けます。

    政情が不安になったり、鉱山でストライキが起こったり、電力が不足したり、洪水などが発生したりすると、プラチナ供給が減少する可能性が高いです。

    また、南アフリカの通貨の価値が下がると、輸出が増えて供給が増える可能性もあるでしょう。

    金(ゴールド)価格との比較

    金(ゴールド)価格が上昇すると、プラチナに割安感が出てくるため、金の代替投資先としてプラチナの人気が高まる傾向にあります。また、宝飾品としても金製品からプラチナ製品にシフトする動きが出てきます。

    金(ゴールド)価格との比較により、プラチナへの需要が高まると価格も上昇するのです。

    水素・燃料電池車(FCV)など新エネルギー分野の需要

    世界的に脱炭素社会への移行が求められているなかで、水素エネルギーの活用や燃料電池車(FCV)の普及に注目が集まっているのも、プラチナの価格変動に影響を与える要因の1つです。

    ただし、技術革新が起こって、水素生成装置やFCVにプラチナの代替物質が使用されるようになった場合には、プラチナ需要は減少する可能性が予想されます。

    プラチナは今「買い時」か「売り時」か?

    プラチナは今「買い時」か「売り時」か、気になる方は多いのではないでしょうか。プラチナの買い時と考えられるタイミング、売り時と考えられるタイミング、および段階的な売却も一つの手段であることについて解説します。

    プラチナの買い時と考えられるタイミング

    長期的な視点に立ち、脱炭素社会の到来を見越して、プラチナの需要拡大・成長を期待するのであれば、現在を買い時として捉えられます。

    また、インフレに対する備えとして、現金や債券だけではなく、プラチナにも分散投資を行っておこうと考えるのであれば、やはり買い時ということになるでしょう。

    プラチナの売り時と考えられるタイミング

    短期的な視点から、利益を得ることを目指すのであれば、高騰している今が売り時と考えられます。

    また、金と比較すると、プラチナは価格変動が大きいため、急騰後に急落する可能性もあります。リスクを避けるためには、売却も選択肢の1つです。

    段階的な売却も一つの手段

    考え方によって、買い時とも売り時とも判断できるわけですが、両者を組み合わせることも可能です。

    例えば、短期的に利益確保をするために、価格動向を見ながら一部を段階的に売却し、同時に保有もし続けるというのも一つの手段と言えます。

    プラチナに投資する際の注意点


    プラチナへの投資は、金(ゴールド)とは異なる特性を持つため、いくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。プラチナは宝飾品としてだけでなく工業用としても広く使われており、その価値は経済状況や技術革新の影響を受けやすいです。また、金に比べて価格変動が激しく、現物投資には特有のコストもかかります。これらのリスク要因を把握せずに投資を始めると、思わぬ損失を被る可能性も否定できません。

    金(ゴールド)よりも価格変動が激しい

    プラチナ投資で最も注意すべき点は、金(ゴールド)よりも価格変動(ボラティリティ)が激しいことです。これは、プラチナの市場規模が金よりも小さく、特定の要因(とくに工業需要)の影響を受けやすいためです。景気が良い時には需要が増えて価格が急騰する可能性がある一方、不況時には需要が急減し、金よりも早く、そして大きく価格が下落するリスクがあります。この値動きの激しさを理解した上で、リスク許容度に合わせた投資判断が求められます。

    価格が景気動向に影響されやすい

    プラチナ価格は、世界の景気動向に強く影響されやすいのが大きな特徴です。なぜなら、プラチナの需要の約6割以上が自動車の排ガス触媒や化学、ガラス製造といった工業用途だからです。景気が良くなり、自動車生産や工業製品の需要が増えればプラチナ価格は上昇しやすく、逆に景気が悪化して生産が落ち込むと需要が減り、価格は下落しやすい傾向にあります。「安全資産」として不況時に買われる金とは対照的な動きをするため注意が必要です。

    自動車産業の「技術革新」に将来性が左右される

    プラチナの将来性は、自動車産業の技術革新、とくに電気自動車(EV)へのシフトに大きく左右されます。現在、プラチナの最大の用途はガソリン車やディーゼル車の排ガス浄化触媒です。しかし、触媒を必要としないバッテリーEV(BEV)が将来的に普及すれば、この最大の需要源が失われ、価格が下落するリスクがあります。一方で、燃料電池車(FCV)や水素製造装置の触媒としてプラチナは不可欠であり、脱炭素社会の進展が新たな需要を生む期待もありますが、その普及スピードは不透明です。

    現物投資は手数料が比較的高い

    インゴット(地金)やコインといったプラチナ現物への投資は、金(ゴールド)に比べて手数料が比較的高くなる傾向がある点に注意が必要です。これは、プラチナの市場規模が金より小さく、加工や流通にかかるコストが相対的に高いためです。購入時と売却時の価格差(スプレッド)が金よりも広く設定されているのが一般的です。また、小さなサイズのインゴットには「バーチャージ」と呼ばれる追加手数料がかかる場合もあります。現物投資の際は、これらのコストを考慮する必要があります。

    プラチナ価格の今後に関するよくある質問

    プラチナ価格の今後について、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

    Q1.EV(電気自動車)が普及するとプラチナ価格は暴落しますか?

    EV(電気自動車)が普及すると、プラチナの需要源である自動車排ガス触媒の需要が減るため、価格が下落するリスクはあります。ただし、暴落するかどうかは断言できません。

    理由としては、EVシフトのスピードが想定より遅れる可能性や、同時に期待される燃料電池車(FCV)や水素関連での新たな需要増加が見込まれるからです。また、宝飾品やほかの工業用途での需要も存在します。

    EV普及の影響は大きいですが、ほかの要因とのバランスでプラチナの価格が決まります。

    Q2.水素社会(FCV)でプラチナ需要は増えますか?

    水素社会の実現、とくに燃料電池車(FCV)や水素製造装置(水の電気分解)の普及は、プラチナの新たな需要を増やす可能性があります。

    プラチナは、水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池の電極触媒や、水を電気分解して水素を作る装置の触媒として効率の良い材料だからです。

    世界的に脱炭素化が進み、水素エネルギーの活用が本格化した場合、プラチナの需要は伸びると期待されていますが、技術開発やインフラ整備の進捗次第といえます。

    Q3.プラチナのジュエリーは今後値上がりしますか?

    プラチナのジュエリー(指輪やネックレスなど)の価値が今後値上がりするかは、プラチナ地金の価格動向だけでなく、デザインの人気やブランド価値にも左右されるため一概には言えません。

    もしプラチナ地金の価格が将来的に上昇した場合、それに連動してジュエリーの素材価値も上がる可能性はあります。しかし、ジュエリーの価格には加工費やデザイン料、ブランド料などが含まれており、売却時には地金価格のみで評価される場合がほとんどです。

    資産価値として期待するならインゴットのほうが適しています。

    まとめ

    プラチナ価格は短期的には上昇する可能性がありますが、金利動向と景気後退懸念がプラチナの価格を変動するカギです。一方、長期的な見通しは脱炭素社会(水素・FCV)の需要によって左右されると考えられています。

    これからのプラチナ価格変動に影響する要因を理解して、買い時かどうかを判断し、投資をおこないましょう。

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    監修:井上 男(だん)

    金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
    査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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