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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2025年10月02日
投稿日 : 2025年10月02日

「プラチナ投資をしたいが将来性はどうなのだろう?」「プラチナの価格の長期的な見通しを知りたい」などとお考えの方はいらっしゃいませんか?
短期的な価格変動に惑わされずに、将来を予測するためには、正しい知識が欠かせません。
そこで今回は、以下のトピックについて解説します。
この記事を読むことで、プラチナ投資に関する判断材料を得ることができます。
「プラチナ投資の将来性を知りたい」とお考えの方は、ぜひお読みください。

プラチナ投資の将来性は、短期的な視点と、10年後といった長期的な視点で、評価が大きく分かれます。短期的には世界経済の動向に左右されやすい一方、長期的には「脱炭素社会」の実現に向けた、技術革新の主役となる大きな可能性を秘めています。
そこでまずは、短期的な予測と長期的な予測のそれぞれについて解説します。
プラチナの短期的な価格は、主に、世界経済の景気動向に連動する、自動車産業や化学産業での「工業需要」の強さに左右されます。プラチナ需要の半分以上は、これらの工業用途で占められており、世界経済の低迷によって自動車の生産台数などが落ち込むと、プラチナの需要も減少し、価格は下落しやすくなります。
短期的には、金(ゴールド)のような安全資産としての側面よりも、景気に敏感な「工業用金属」としての側面が強く現れるのが、プラチナの大きな特徴です。
プラチナの長期的な将来性は、現在の主用途であるガソリン車触媒の需要が減少する「リスク」と、未来の水素社会で需要が爆発的に増加する「期待」が、せめぎ合っている状況です。
電気自動車(EV)の普及は、プラチナ需要にとって逆風です。しかし一方で、燃料電池車(FCV)や、水を電気分解してグリーン水素を製造する装置には、プラチナが不可欠な触媒として使われます。
脱炭素社会への移行が加速すれば、プラチナは、未来のクリーンエネルギーを支えるキーマテリアルとして、その価値を大きく見直される可能性があります。
プラチナ投資の将来を考える上では、現状を正確に認識しておくことが重要です。プラチナ投資の現状は、以下の3点に要約できます。
それぞれについて解説します。
1994年以降から現在までのプラチナ価格の推移を見てみると、大きな傾向としては上昇基調にあることがわかります。
2000年代にはアメリカや中国において不動産価格が上昇し、世界的な好景気傾向になり、2008年にプラチナ価格はピークを迎えました。その後、リーマンショックを契機に、国際的金融危機が発生し、プラチナ価格は急落します。
2010年代に入ると、工業用プラ綱の需要増とともに、徐々にプラチナ相場は回復していきましたが、コロナ禍を原因とした世界経済の低迷により価格は低迷します。
その後は、自動車生産が増え、現在に至るまで価格は上昇傾向にあります。
このように、いくつかプラチナ価格が下落するポイントがあったものの、全体的に見ると上昇傾向にあるのです。
かつてプラチナは、金よりも価格の高い貴金属でした。ですが現在のプラチナは、金よりも1gあたりの価格が大幅に安く、貴金属投資の初心者でも比較的手が届きやすい資産として需要が流れています。同じ予算でも、金より多くの量を保有できることがプラチナの魅力です。
資産ポートフォリオの一部として、金だけでなくプラチナにも分散投資をおこなう動きが、個人投資家の間でも広がりを見せています。
プラチナ投資をしようとする場合、「将来的にプラチナの価値がなくなってしまうのではないか」という心配があるかもしれません。しかし、プラチナの価値がなくなる可能性は少ないといえます。
その理由は主に2つあります。
第1に、プラチナには工業用需要と、宝飾品としての需要の両方があるためです。自動車、パソコン、テレビなどに欠かせない素材であるため需要は堅調ですし、ジュエリーとしての人気も高いのがプラチナです。
第2に、採掘量の少なさです。金と比較するとプラチナの採掘量は少ないため、その分、プラチナのほうが金よりも希少価値が高いといえます。
価格が下落する可能性はあっても、価値がなくなることはないでしょう。
プラチナ投資の将来性を左右する要因を把握しておけば、今後の値動きを想定する参考になります。プラチナ投資の将来性に関わる要因は、次の6つです。
それぞれについて解説します。
プラチナ需要の半分以上は工業的な需要であるため、工業の動向はプラチナの価格に大きな影響を及ぼします。
水素エネルギー分野においては、水素を生産する水電解装置にも使われるため、脱炭素社会の形成に向けて、今後の需要拡大も見込まれている素材です。
また、宇宙開発分野においては、人工衛星やロケットの部品として、重要な役割を果たしています。
プラチナは、白銀色に美しく輝き、耐久性もあり、かつ希少性もあるという特徴により、宝飾品・ジュエリーの素材としても人気です。
柔軟性もあり加工しやすいため、複雑なデザインのジュエリーを作成することも可能で、婚約指輪や結婚指輪にも多く用いられています。
また、プラチナは金属アレルギー反応を起こしにくいため、比較的安心して使用できます。
プラチナは、化学的安定性が高く変質しにくいこと、生体適合性が高く人体に影響しにくいことなどの特徴により、医療分野での需要があります。
特にペースメーカー、人工内耳、カテーテルなど、長期間人体内に埋め込む医療機器には、安全性が高いプラチナが重要な役割を果たしています。
プラチナが使われているのは、医療機器だけではありません。胃がんや小腸がんなどに対する抗がん剤の中にも、プラチナ化合物が使われているものがあります。今後、医療技術が進歩すれば、さらにプラチナ需要が高まる可能性があるでしょう。
自動車産業においては、ディーゼル車の排気ガスを浄化する触媒にプラチナが使用されるため、脱ディーゼル車化が進んだ際には需要が低下しました。
電気自動車の触媒や、ハイブリッド車における燃料電池の触媒としてもプラチナは使われています。世界的に環境問題への関心が高まる中で、電気自動車やハイブリッド車が普及していくことが見込まれています。プラチナの需要は高まっていくでしょう。
プラチナの工業需要は、アメリカや中国、そして日本といった、主要な消費国の経済状況に、大きく影響されます。これらの国の景気が良く、自動車や電子機器の生産が活発であれば、プラチナの需要は高まります。逆に、景気が後退すると、工業製品の生産が減少し、プラチナの需要も落ち込む傾向にあります。
世界の経済全体の動向を注視することが、プラチナの需要を予測するうえで非常に重要です。
プラチナの主要産出国は限られているため、経済情勢や地政学リスクによって、プラチナの相場は大きく変動します。
特に南アフリカ共和国は、世界のプラチナ産出の過半数を占めています。南アフリカの鉱山周辺で、紛争や災害が発生すると、産出量が低下したり、輸出量が制限されたりして、供給量が激減する可能性があることを認識しておきましょう。
実際に、2014年には鉱山のストライキによって、プラチナ価格は短期間で高騰しました。
供給がごく一部の国に依存していることが、プラチナの価格を不安定にさせる要因の一つです。

プラチナ投資をするならおさえておきたいポイントは、以下の7つです。
それぞれについて解説します。
前述したように、プラチナの価格に影響する要因は以下のとおりです。
プラチナ投資をする際には、これらのプラチナの市場特性を理解しておくことが重要です。
プラチナに投資する目的を、明確にすることも重要です。たとえば、短期的な価格変動を捉えて利益を狙う「投機」なのか、あるいは、10年後、20年後の水素社会の到来を見据えて、資産価値の上昇を期待する「長期投資」なのかで、取るべき戦略は全く異なります。
プラチナ投資の目的を明確にすることで、目先の価格変動に一喜一憂することなく、冷静な判断を下せます。
プラチナの価格は、短期的に見ると、景気動向や投資家心理によって、大きく上下に変動します。そのため、短期的な売買で利益を上げるのは、プロでも非常に困難です。
とくに、水素エネルギー関連の需要拡大といったプラチナの将来性に期待して投資するのであれば、少なくとも5年から10年といった長期的な視点で、資産をじっくりと育てていくという心構えが不可欠です。
プラチナに投資する方法は、一つではありません。地金(インゴット)やコインといった「現物」を購入する方法のほかに、証券口座を通じて、株式のように手軽に売買できる「ETF(上場投資信託)」や、毎月一定額を積み立てる「純プラチナ積立」といった方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の投資スタイルに合った方法を選びましょう。
もし、インゴットやコインといった「現物」でプラチナに投資する場合は、その保管・管理方法を、購入前に必ず検討しておきましょう。
現物資産は、盗難や紛失といった、物理的なリスクが常につきまといます。自宅の金庫で保管するのか、あるいは、手数料を払って、銀行の貸金庫や、専門業者の保管サービスを利用するのか、その安全性とコストを比較検討する必要があります。
プラチナ投資は、将来性への期待がある一方で、価格変動のリスクも大きい資産です。
そのため、ご自身の資産の全てをプラチナに集中させるのではなく、株式や債券、あるいは金(ゴールド)といった、異なる値動きをする他の資産と組み合わせる「分散投資」を心がけ、リスク管理を徹底することが重要です。
これにより、ポートフォリオ全体の値動きを、より安定させることができます。
プラチナの価格は、日々、世界中の様々なニュースに反応して変動します。そのため、単に日々の価格推移をチェックするだけでなく、その背景にある、世界の景気動向や、自動車産業のニュース、そして、水素エネルギーに関する技術革新のニュースなどを、リアルタイムで確認してください。
世界の動向を俯瞰して見ることが、最適な売り時・買い時を見極めるうえで非常に重要になります。
プラチナ投資の将来性を短期的に予測するのは困難です。一方で、長期的に見ると、プラチナ需要は拡大していくと考えられ、価格が上昇する可能性は高いと考えられています。
プラチナの価値は上昇傾向にあり、プラチナの価値がなくなる可能性は少ないのでプラチナ投資の将来性を左右する要因を把握したうえで投資をおこないましょう。
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監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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