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  • ダイヤモンドの価値は今後どうなる?今後の価値を決める5つの要因


    category: その他豆知識

    最終更新日 : 2025年10月31日
    投稿日 : 2025年10月31日


    「ダイヤモンドの価値は、今後どうなるんだろう?」
    「ラボグロウンダイヤモンドの影響で、天然ダイヤの価値は暴落するって本当?」

    ご自宅に眠るダイヤモンドジュエリーの売却をお考えの方や、これから婚約指輪などの購入を検討されている方にとって、ダイヤモンドの将来的な価値は気になるところですよね。金(ゴールド)のように価格が分かりやすいわけではなく、様々な情報に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

    そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。

    • ダイヤモンドの価値の短期的な予想と中・長期的な予測
    • 2000年以降のダイヤモンドの価格推移について
    • 今後のダイヤモンドの価値を決める要因
    • ラボグロウンダイヤモンドが今後の価値に与える影響
    • ダイヤモンドは今「売り時」か「買い時」か?

    この記事を最後まで読めば、ダイヤモンドの価値に関する疑問や不安が解消され、売却や購入に向けて自信を持って判断できるようになるはずです。今後のダイヤモンドの価値について気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

    ダイヤモンドの価値は今後どうなる?


    今後のダイヤモンドの価値について、「短期的な予測」と「中・長期的な予測」の2つに分けて解説していきます。

    短期的な予測

    ダイヤモンドの短期的な価値予測は、世界経済の動向と個人の消費マインドに大きく影響されます。景気が良く、消費者の宝飾品への意欲が高い時期は価格が上昇しやすく、逆に景気が後退すると下落しやすい傾向があります。

    また、主要な消費国であるアメリカや中国の経済状況、結婚指輪などのブライダル需要の変動も短期的な価格に影響を与えます。近年では、ロシア産ダイヤモンドへの規制なども供給面に影響し、価格を押し上げる要因となる場合があります。

    これらの要因が複雑に絡み合うため、短期的な価格予測は困難なのが実情です。世界的な景気減速懸念が宝飾需要をやや下押しする(価値を下げる)可能性がある一方で、供給不安や根強いインフレヘッジ需要が価格を下支えする(価値を上げる)可能性もあります。

    そのため、短期的には明確な方向感が出にくい、あるいは経済状況次第ではやや軟調な展開により価値が下がる可能性も考えられます。

    中・長期的な予測

    ダイヤモンドの中・長期的な価値予測では、「価値が上昇する可能性が高い」と考えられます。天然ダイヤモンドの供給量の減少と、新興国での需要増加が価格を支える主な要因になるという予測です。

    主要なダイヤモンド鉱山の閉鎖が相次いでおり、新たな大規模鉱山の発見も少ないため、天然ダイヤモンドの希少性は今後さらに高まると予想されます。一方で、インドや中国など経済成長が著しい国々では、中間層の増加にともないダイヤモンドジュエリーへの需要が長期的に伸びると期待されています。

    以上の2点からダイヤモンドの供給が減り需要が増えれば、価値は上昇する可能性が高いでしょう。

    天然ダイヤモンドの価値が暴落する可能性は低い

    現状では、天然ダイヤモンドの価値が今後暴落する可能性は低いと考えられます。その最大の理由は、天然ダイヤモンドが持つ「絶対的な希少性」です。

    地球内部で数十億年という時間をかけて生成される天然ダイヤモンドは、人工的に量産できる合成ダイヤモンドとは根本的に異なります。合成ダイヤモンドの市場が拡大しても、それは天然ダイヤモンドの価値を代替するものではなく、別の市場を形成すると見られています。

    人工ダイヤモンドと比較して供給量が限られている天然ダイヤモンドは、その希少性から長期的に価値が保たれる可能性が高いです。

    2000年以降のダイヤモンドの価格推移について

    ダイヤモンドの価値が今後どう変化していくのかを予測する際に参考になるのが、これまでの価格推移です。

    ここでは、ダイヤモンドの大まかな価格の動きを年代別に解説していきます。

    2000年〜2010年までの価格推移

    2000年から2010年までのダイヤモンド価格は、比較的安定した上昇傾向を示しました。この時期は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれる新興国の経済成長が著しく、これらの国々での宝飾品需要が大きく伸びたことが価格を押し上げた主な要因です。とくに中国市場の拡大が顕著でした。

    2008年のリーマンショック時には一時的に価格が下落しましたが、その後は経済回復とともに再び上昇基調に戻りました。全体としては、需要の増加が供給を上回り、価格が徐々に上がっていった時代といえます。

    2010年代の価格推移

    2010年代のダイヤモンド価格は、前半に上昇し、後半はやや不安定な動きを見せました。前半は、引き続き中国を中心としたアジア市場の需要拡大や、金融緩和による投資マネーの流入などから価格が上昇しました。しかし、2015年頃からは中国経済の減速懸念や、米国の利上げ観測などから価格が調整局面に入ったのです。

    また、この時期からラボグロウン(合成)ダイヤモンドの品質向上と市場への流通が本格化し始めたことも、相場に影響を与えた可能性があります。

    2020年代の価格推移

    2020年代に入ると、ダイヤモンド価格は再び上昇基調を強めています。新型コロナウイルスのパンデミックによる鉱山の操業停止やサプライチェーンの混乱で供給が減少する一方で、各国の金融緩和策や旅行などに行けないことによる「巣ごもり消費」で宝飾品需要が増加したのが大きな要因です。

    さらに、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界第1位の産出国であるロシア産ダイヤモンドへの経済制裁が供給不安を引き起こし、ダイヤモンドの価格をさらに押し上げました。円安も日本国内価格の上昇要因となっています。

    今後のダイヤモンドの価値を決める要因


    今後のダイヤモンドの価値は、いくつかの複雑な要因によって決まります。主な要因は、以下の5つです。

    • 需要と供給のバランス
    • 社会情勢や地政学リスク
    • 米ドルの価値
    • 流通にかかるコスト
    • 4Cの評価

    これらの要因がどのように絡み合い、変化していくかを理解することが、今後のダイヤモンドの価値を見通すうえで重要になります。詳しく見ていきましょう。

    需要と供給のバランス

    今後のダイヤモンド価値を決める最も基本的な要因は、需要と供給のバランスです。

    供給面では、主要なダイヤモンド鉱山の閉山や資源枯渇により、天然ダイヤモンドの採掘量は減少傾向にあります。新たな大規模鉱山の発見も難しくなっているのが現状です。一方需要面では、インドや中国といった新興国の経済成長にともなう宝飾品需要の増加が期待されます。

    供給に対して需要が増えていけば、ダイヤモンドの希少価値が高まり価格は上昇する可能性が高くなるでしょう。

    社会情勢や地政学リスク

    社会情勢や地政学リスクもダイヤモンドの価値に影響を与えます。

    たとえば、ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア産ダイヤモンド(世界の供給量の約3割)に対する経済制裁がおこなわれ、供給不安から価格が上昇しました。

    参考:ロシア産ダイヤモンド規制と金価格高騰…宝石と貴金属を巡る税務の最前線【国際税務の専門家が解説】(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)) – Yahoo!ニュース

    また、紛争地域の武装勢力の資金源となる「紛争ダイヤモンド(コンフリクト・ダイヤモンド)」を排除するための国際的な取り組み(キンバリー・プロセス)も、正規ルートで流通するダイヤモンドの信頼性と価値を高める要因となっています。

    米ドルの価値

    ダイヤモンドの国際取引は主に米ドルでおこなわれるため、米ドルの価値(為替レート)も国内のダイヤモンド価格に影響します。

    一般的に、米ドルに対して円安が進むと、日本国内でのダイヤモンドの輸入価格が上昇し、販売価格や買取価格も上がる傾向にあります。逆に円高が進むと、価格は下落しやすくなります。

    金(ゴールド)と同様に、ダイヤモンドの価値を見る際には、為替相場の動向も考慮に入れる必要があります。

    流通にかかるコスト

    ダイヤモンドが採掘されてから消費者の手に届くまでには、多くの流通コストがかかっており、これも最終的な販売価格に含まれます。原石の採掘コスト、選別、カット・研磨(ポリッシュ)の加工賃、GIAなどの鑑定機関による鑑定費用、そして輸入・卸売・小売業者のマージン(利益)などが上乗せされているのです。

    これらのコスト、とくに人件費やエネルギー価格が上昇すると、ダイヤモンドの価格も上昇する要因となります。

    4Cの評価

    個々のダイヤモンドの価値を最終的に決定するのは、国際的な品質評価基準である「4C」です。

    4Cとは、Carat(カラット:重さ)、Cut(カット:輝き)、Color(カラー:色)、Clarity(クラリティ:透明度)の4つの頭文字を取ったものです。同じ1カラットのダイヤモンドでも、カットが優れて輝きが強いもの、無色に近いもの、内包物が少ないものほど、希少価値が高く評価され、価格も高くなります。

    この4Cの評価が、ダイヤモンドの価値の根幹をなしています。

    ラボグロウンダイヤモンドが今後の価値に与える影響

    人工で作られるラボグロウンダイヤモンドの普及は、今後のダイヤモンドの価値を考えるうえで重要な要素です。

    ここからは、ラボグロウンダイヤモンドとはなにか、天然ダイヤモンドにどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。

    ラボグロウンダイヤモンドとは?

    ラボグロウンダイヤモンドとは、文字通り「ラボ(研究所)でグロウン(育てられた)」ダイヤモンドのことです。天然ダイヤモンドが地球内部の高温高圧下で形成されるのと同じ環境を、研究所で人工的に再現して製造されます。

    ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの化学組成や結晶構造は全く同じであり、見た目や輝きも専門家でなければ区別がつきません。しかし、製造プロセスが異なるため、天然ダイヤモンドに比べて短期間で大量に生産でき、価格も大幅に安価(一般的に天然の1/3以下とも)になります。

    鑑定書にも「Laboratory Grown」と明記されます。

    ラボグロウンダイヤモンドの普及による価値への影響

    ラボグロウンダイヤモンドの普及は、天然ダイヤモンドの市場において、価値の二極化を進める影響があると考えられます。

    手頃な価格で大粒のダイヤモンドを楽しめるラボグロウンダイヤモンドは、ファッションジュエリーや日常使いのアクセサリーとしての需要が高まるでしょう。一方で、婚約指輪などの特別な記念品や、資産価値を重視する層においては、地球が生み出した唯一無二の希少性を持つ天然ダイヤモンドへの需要は根強く残ると予測されます。

    結果として、ラボグロウンは天然ダイヤモンドの価値を暴落させるのではなく、それぞれの市場が確立されると考えられます。

    ダイヤモンドは今「売り時」か「買い時」か?

    ダイヤモンドが今「売り時」か「買い時」かは、個人の目的や状況によって判断が異なります。

    売却を考えている方にとっては、円安や供給不安を背景とした現在の国内価格は、比較的有利な「売り時」の一つといえるかもしれません。一方、購入を検討している方、とくに婚約指輪など特別な意味を持つ場合は、ダイヤモンドそのものの品質(4C)と信頼できる鑑定書を重視するべきです。

    詳しく解説します。

    【売却検討者へ】円安の今は「売り時」といえる

    ダイヤモンドの売却を検討している方にとって、現在の円安基調は「売り時」の一つの良いタイミングといえます。

    ダイヤモンドの国際取引は主に米ドルでおこなわれるため、円安が進むと日本国内での円建て価格(買取価格)は上昇する傾向にあるためです。また、ロシア産ダイヤモンドへの規制による供給懸念も価格を支えています。

    ただし、ダイヤモンドの買取価格は品質(4C)によって大きく左右されるため、まずは信頼できる専門店で査定を受け、現在の価値を確認してみるのがおすすめです。

    【購入検討者へ】資産価値以上に「品質(4C)と鑑定書」を重視する

    ダイヤモンドの購入、とくに婚約指輪などを検討している方は、短期的な価格変動にこだわりすぎるより、「品質(4C)」と「信頼できる鑑定書」を重視するべきです。

    ダイヤモンドは、重量で価格が決まる金(ゴールド)と異なり、個々の石の品質によって価値が大きく変動し、一般的に購入時よりも売却時の価格は下がります。だからこそ、長く愛用できる美しい輝きを持つ石を選び、その品質を客観的に証明する鑑定書が付いているかを確認するのが、後悔しないための最も重要なポイントです。

    まとめ

    この記事では、今後のダイヤモンドの価値について、短期・長期的な予測から価格推移、価値を決める要因、そしてラボグロウンダイヤモンドの影響まで詳しく解説しました。

    結論として、天然ダイヤモンドの価値は、その絶対的な希少性から今後も暴落する可能性は低く、長期的には供給減と新興国需要により価値が維持・上昇する可能性も秘めています。ラボグロウンダイヤモンドは市場を二極化させますが、天然の価値を代替するものではありません。

    売却を検討するなら円安の今は一つの好機ですが、購入を考えるなら短期的な価格より品質(4C)と信頼できる鑑定書を重視すべきです。ご自身のダイヤモンドの価値を知りたい方は、まずはこの記事を参考に、GIA鑑定士などが在籍する専門店で現在の評価を確認してみてはいかがでしょうか。

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    監修:井上 男(だん)

    金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
    査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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