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category: その他豆知識
最終更新日 : 2025年10月02日
投稿日 : 2025年10月02日

「ダイヤモンドには希少性がない」という話を聞いたことのある方がいるかもしれません。
しかし、希少性のないものに高い価格がつくというのもおかしな話です。実際のところ、ダイヤモンドの希少価値はあるのでしょうか?
そこで今回は、以下のトピックについて解説します。
この記事を読むことで、「ダイヤモンド神話」の裏側を知ることができます。「ダイヤモンドの希少性に関する正確な知識を身につけたい」とお考えの方は、ぜひお読みください。

もし本当に希少性がないのであれば、なぜダイヤモンドは高価なのでしょうか。そこで、なぜダイヤモンドには希少性がないと言われるのか、その要因を以下3つの観点から解説していきます。
正確な知識に基づいて、希少性があるのかどうかを判断する参考にしてください。
ダイヤモンドの希少価値を語るうえで、ロンドンに本社を置くデビアス社による、19世紀後半から20世紀初めにかけての人工的な供給制限の歴史は欠かせません。
19世紀後半に南アフリカで巨大な鉱山が発見され、価格が暴落するのを防ぐため、デビアス社は、世界のダイヤモンド原石の流通をほぼ一手に握る「カルテル」を形成したのです。市場に出回るダイヤモンドの量を制限することで、「ダイヤモンドは希少で高価なもの」という価値観を戦略的に創り出し、価格をコントロールしました。
近年では、ロシアやオーストラリア等の新興産地の台頭により、デビアス社のシェアは低下しています。それでもなお。ダイヤモンドの国際相場は、デビアス社の動向に大きな影響を受けています。
ダイヤモンドの価値を不動のものにしたのが、「ダイヤモンドは永遠の輝き」という、歴史上最も成功したと言われるマーケティングキャンペーンです。
デビアス社が仕掛けたこのキャンペーンは、「ダイヤモンドの硬さ=永遠の愛」というイメージを人々の心に植え付けました。「婚約指輪にはダイヤモンドを贈る」という、それまでなかった新しい文化を、世界中に創り出したのです。
これにより、ダイヤモンドの需要は爆発的に増え、その価値は、もはや誰も疑わないものとなりました。
近年、ダイヤモンドの希少性を根本から揺るがしているのが、技術革新によって生まれた「ラボグロウンダイヤモンド(人工ダイヤモンド)」の普及です。
ラボグロウンダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと全く同じ成分を持ちながら、研究所にて数週間で製造できるため、供給量に制限がありません。この安価で高品質な代替品の登場が、とくに一般的な天然ダイヤモンドの希少価値を、相対的に低下させています。
ラボグロウンダイヤモンドの普及が、現代において「ダイヤモンドの希少性はない」といわれる最大の理由です。

人工のラボグロウンダイヤモンド普及により、その希少性が揺らいでいる天然ダイヤモンド。ですがその中でも、以下のような「真に希少なダイヤモンド」が存在するのも事実です。
それぞれ解説していきます。
ダイヤモンドの価値は、以下の「4C」と呼ばれる4つの要素によって決定されます。
| 項目 | 意味 | 簡単な説明 |
| Carat(カラット) | 重さ | 1カラット=0.2g。重いほど希少で、価値が高くなります。 |
| Cut(カット) | 輝き(形・研磨) | 人の技術で決まる唯一の要素。輝きを最大限に引き出す、形のバランスや研磨の質を評価します。 |
| Color(カラー) | 色 | 無色透明な「D」を最高とし、黄色味が強くなるほど、希少価値は下がります(カラーダイヤは別基準)。 |
| Clarity(クラリティ) | 透明度(キズの少なさ) | 内包物や表面のキズの少なさを評価。少ないほど、光の透過を妨げず、価値が高まります。 |
この4つの要素がそれぞれ評価され組み合わさることで、ダイヤモンドのグレードや価値が決まるのです。4Cがすべて高品質の天然ダイヤモンドは産出量が非常に少ないため、真に希少なダイヤモンドといえます。
ファンシーカラーダイヤモンドとは、産出量が極めて少ない天然で色のついたダイヤモンドのことです。
ファンシーダイヤモンドのなかでもイエローやブラウンは比較的一般的ですが、その他のピンク、ブルー、パープル、グリーンなどは、どれも希少性が高いです。
ファンシーカラーダイヤモンドは10,000個に1つしか産出しないといわれており、真に希少なダイヤモンドであるといえます。
希少価値のある、世界的に有名なダイヤモンドの実例を、以下の4つに分けてご紹介していきます。
それぞれ見ていきましょう。
ホープ・ダイヤモンドは、深く澄んだブルーの輝きを持つ、世界で最も有名なダイヤモンドの一つです。
ポープ・ダイヤモンドの希少性は、その独特な青色に由来します。これは、内部に微量のホウ素が含まれているためで、その輝きは他に類を見ないものです。
また、所有者に不幸をもたらすという「呪いの伝説」を持つことでも知られており、そのミステリアスな歴史が、人々の好奇心を惹きつけ、唯一無二の価値をさらに高めています。
現在は、アメリカのスミソニアン博物館に収蔵され、多くの人々を魅了しています。
カリナン・ダイヤモンドは、歴史上最大の原石として、ダイヤモンドの歴史にその名を刻んでいます。
カリナン・ダイヤモンドは、1905年に南アフリカの鉱山で発見され、当時の重さは約3,106カラットにも達しました。あまりにも巨大だったため、分割して研磨する必要があり、最終的には9つの大きな宝石と、多数の小さなダイヤモンドにカットされました。
そのうちの「カリナンI世(偉大なアフリカの星)」と「カリナンII世」は、イギリス王室の王冠や王笏に飾られており、国家の至宝としてその威厳を示しています。
ピンク・スター・ダイヤモンドは、その名の通り鮮やかなピンク色をした、希少性の高いダイヤモンドです。
ピンクダイヤモンドは、ファンシーカラーダイヤモンドの中でもとくに産出量が少なく、発見されるのは極めて稀です。このピンク・スターは、59.60カラットという巨大な重さも相まって、これまでに競売にかけられた宝石の中で最高額で落札されました。
参考:大粒ダイヤ「ピンクスター」、過去最高の79億円で落札 香港 – CNN.co.jp
その圧倒的な美しさと唯一無二の希少性は、資産としての価値だけでなく、世界中のコレクターや投資家の憧れの対象となっています。
コ・イ・ヌールは、その歴史が紀元前にさかのぼるとされる、世界でもっとも古い歴史を持つダイヤモンドの一つです。
インドで発見されたコ・イ・ヌールは、多くの支配者の手に渡り、その度に伝説や呪いの物語が語り継がれてきました。その所有者は、栄光と悲劇の両方を経験したと言われています。
現在は、イギリス王室のロンドン塔に保管されており、その長い歴史と、幾多の権力者がその輝きを求めて争ったという背景が、ほかのどの宝石にもない特別な価値を与えています。
ダイヤモンドに希少性がないといわれるのは、デビアス社による市場独占や供給制限の影響力が薄れたことや、人工ダイヤモンドの台頭などが影響しています。
しかし、大粒で最高品質(4C)の天然ダイヤモンドや、ファンシーカラーダイヤモンドなど、本当に価値のある「真に希少なダイヤモンド」が存在するのも事実です。
ダイヤモンドを選ぶ際は、ご紹介した4Cの基準を見極め、ご自身がお求めのものに合った最適なダイヤモンドを見極めてみてください。
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監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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