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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2026年08月25日
投稿日 : 2026年08月25日
「金は磁石にくっつく?」「金が磁石にくっつくと本物の金なのか偽物なのか知りたい」と思っていませんか?純金そのものは基本的に磁石に強く引き寄せられませんが、金合金や金製品は素材によって反応する場合があります。
この記事では、金は磁石にくっつくのか、金製品が反応する理由と本物の見分け方まで紹介していきます。また、磁石以外で本物の金か確認する方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
純金(24金)は反磁性体であり、一般的な磁石に強く引き寄せられることはありません。
ただし、金合金の配合や製品に使われている部品によっては、本物の金製品でも磁石に反応する場合があるため、その仕組みを確認しておきましょう。
純金(K24)は反磁性を示すため、一般的な磁石に強くくっつくことはありません。反磁性体は鉄やニッケルなどの強磁性体とは異なり、磁場に対してごく弱い反発を示します。そのため、純度の高い金製コインやインゴットに市販の磁石を近づけても、鉄のように吸い付く反応は通常見られません。
24金は理論上、24分の24が金で構成され、実際の高純度金では999や999.9などの品位が用いられています。24金と表示された製品が磁石に強く吸着する場合は、金以外の磁性材料が含まれていないか確認する必要があります
18金(K18)は75%が金で、残り25%にほかの金属を配合した合金です。割金には銀や銅などが使われ、ホワイトゴールドではニッケルやパラジウム、亜鉛などを配合する場合もあります。ニッケルなどの磁性を持つ金属が含まれている場合、合金の組成や金属組織などの条件によっては磁石への反応が現れる可能性があります。
一方、パラジウムは常磁性を示しますが、鉄やニッケルのような強磁性体とは性質が異なり、一般的な磁石に強く吸着するとは限りません。K18の品位を満たす金製品でも、割金の種類や製品構造によって磁石への反応が異なる場合があります。

金製品が磁石にくっつく場合、金そのものではなく、メッキや金張りの下地、留め具の部品、合金に含まれる金属などが反応している可能性があります。磁石への反応だけで真贋を断定せず、どの部分が磁石に引き寄せられているのかを確認することが重要です。
磁石に反応する主な原因を確認していきましょう。
金メッキ製品は、下地や中間層に磁性を持つ金属が使われていると磁石に反応する場合があります。金メッキは下地金属の表面に金または金合金の層を施したもので、金層の厚さは加工方法や製品によって異なるためです。また、金メッキと下地金属との間に、ニッケルなど別の金属層が使われる製品もあります。
そのため、「K18 GP」など表面に金を使用した製品でも、内部や中間層に磁性金属があれば磁石に引き寄せられる可能性があります。表面の色だけではなく、製品が無垢の金合金なのか、金メッキなのかを区別して考えることが大切です。
金張り(ゴールドフィルド)は、金合金の層を下地金属へ機械的に接合した製品です。金そのものは強磁性体ではないため、下地金属や別の金属層に磁性材料が含まれている場合、その部分が磁石に反応する可能性があります。
ゴールドフィルドなどの下地金属には、ニッケルのような金属が使われる場合もあります。金合金の層で覆われている製品でも、磁石への反応だけで素材全体を判断することはできません。金張り製品では、表面の金だけでなく、下地となる金属の材質も確認する必要があります。
製品本体が金合金であっても、留め具などの一部に別の金属が使われていれば、その部分だけが磁石に反応する場合があります。留め具などの可動部では、必要な弾性や耐久性を確保するため、ステンレスなどをバネに使用することがあります。
一方で、14金や18金自体をバネに使用する製品もあり、すべての留め具に磁性金属が使われているわけではありません。そのため、ネックレスなどで留め具付近だけが磁石に反応しても、それだけで製品全体が偽物とは判断できません。磁石を使う場合は、本体と留め具を分けて反応を確認することが重要です。
金合金にニッケルやコバルトなどの磁性を持つ金属が含まれている場合、配合や金属組織によって磁石に反応することがあります。ただし、磁性金属が微量含まれているだけで、必ず目に見えるほど磁石に引き寄せられるわけではありません。
合金の磁気特性は、含有量や組成、金属組織など複数の条件によって変化します。そのため、表示どおりの金品位を満たす製品でも、割金や構造によって磁石への反応が異なる可能性があります。磁石テストは簡易な判断材料の一つとして用い、反応の有無だけで金の真贋や純度を断定しないことが大切です。
磁石を用いた簡易チェックは手軽ですが、部分ごとの反応の差を確かめる必要があり、それだけで真贋を確定することはできません。
適切な確認手順と注意点をおさえておきましょう。
磁石で確認するときは、土台が安定した場所で、磁石を少しずつ近づけます。急に磁石を接触させるより、引き寄せられる力があるかを確認しやすくなるためです。
強力なネオジム磁石を使うとわずかな反応を確認しやすくなりますが、製品を傷つけないよう注意してください。もし明確に吸着する場合は、金以外の磁性材料が含まれている場合もあります。
磁石を使う場合は、製品全体が反応するのか、一部だけが反応するのかを分けて確認しましょう。本体は金でも、留め具や内部のバネなどだけに磁性材料が使われている場合があるためです。
ネックレスであればチェーン中央部、留め具、ペンダントトップなどを個別に確認してみてください。一部分だけが反応する場合は、その部品が原因になっている可能性があります。部位ごとの違いを見ることで、製品の状態を判断する手掛かりが増えます。
磁石に吸い付かないからといって、その製品が本物の金であるとは断定できません。真鍮や銀、タングステンなど、金以外にも一般的な磁石に強く吸い付かない金属が存在するためです。銅などのベース金属に金メッキを施した製品であれば、磁石に反応しないこともあります。
また、金に近い密度を持つ材料を利用した偽物などは、簡単な確認だけでは判別が難しい場合があります。磁石テストは真贋判定ではなく、あくまで簡易的なスクリーニングとして利用しましょう。
磁石以外の確認手段として、色合い・変色具合の観察や、重さ・比重による物理的な検査が有効な手掛かりとなります。
自宅でできる補助的な確認方法を見ていきましょう。
金製品を確認するときは、表面の色味や剥離の有無を観察しましょう。純金は化学的に安定した金属ですが、K18などの金合金では割金に含まれる銀や銅などの影響で変色する場合があります。
そのため、表面が変色しているという理由だけで偽物やメッキ品と判断することはできません。一方、表面の金色の層が剥がれ、明らかに異なる色の下地金属が見えている場合は、メッキ製品である可能性があります。色味や変色は、あくまで他の確認方法と組み合わせて判断するための手掛かりと考えましょう。
金は密度の高い金属であり、重さや比重は真贋を判断する際の手掛かりになります。純金の密度は約19.3g/cm³で、鉄や銅など多くの一般的な金属より高い値です。水中での重量などから比重を求めれば、素材を推測する参考情報を得られます。
ただし、中空構造や宝石付きの製品、複数の金属を組み合わせた製品では正確な判断が難しく、タングステンのように金に近い密度を持つ金属もあります。比重は単独で品位を確定する方法ではなく、他の検査と組み合わせることが重要です。
刻印は金の品位や加工方法を識別するための最も基本的な指標ですが、偽造の可能性もあるため多角的な確認が必要です。
刻印の種類と見方について解説します。
まずはルーペなどを使い、製品の目立たない場所に「K24」「K18」「750」などの刻印があるか確認します。「K18」は純金を24とするカラット表示で、18/24、つまり金75%を示します。「750」は千分率による表示で、金が750/1000、つまり75.0%であることを示しているのです。
日本の造幣局でも品位750はK18に相当する区分として扱われています。ただし、「K18」という刻印があるだけで、造幣局の品位証明を受けた製品という意味にはなりません。
「K18GP」などの表記がある場合は、製品全体がK18ではなく、表面に金または金合金の層を施した製品であることを示します。「GP」は「Gold Plated」の略称として使われる表記です。日本ジュエリー協会も、K18GPの製品はゴールドジュエリーではなく金メッキのアクセサリーである場合があると案内しています。
なお、金の表面加工には電気めっきだけでなく、複数の加工方法があります。刻印は「K18」の部分だけではなく、後ろに付く「GP」などの文字まで確認しましょう。
「GF」は「Gold Filled」の略で、ベース金属に金合金の層を機械的に接合した金張り製品を示す表記です。製品の内部まで同じ金合金でできているわけではありません。
米国FTCの表示基準では、少なくとも10Kの金合金層が製品の金属部分全体の重量の1/20以上を占める場合に「Gold Filled」と表示できます。また、「RGP」は「Rolled Gold Plate」の略で、金合金層を機械的に施した製品を指します。GFやRGPはGPと加工方法が異なるため、刻印ごとの意味を区別して確認することが大切です。
刻印があるからといって、その製品が表示どおりの金であると断定することはできません。刻印は素材を確認する重要な手掛かりですが、日本ではすべてのジュエリーについて公的機関が刻印内容を保証しているわけではないためです。
K18と表示された製品でも、検査によって表示どおりの品位かどうかを確認する場合があります。反対に、刻印が見当たらなくても、それだけを理由に偽物と断定することはできません。刻印は磁石や比重、専門的な検査などと合わせて判断することが重要です。
専門店へ持ち込む前には、付属品を確認し、製品を傷つけない状態で保管しておくことが大切です。
とくにブランドジュエリーでは、付属品があれば製品と一緒に持参しましょう。
金製品を査定に出す場合は、購入時の保証書やギャランティカード、箱などが残っていれば一緒に用意しましょう。ブランドや購入経路を確認する資料として役立つ場合があるためです。
とくにブランドジュエリーや高級時計では、付属品の有無が製品としての査定に影響する場合があります。一方、金そのものの地金価値については、金の品位や重量などが重要な判断材料になります。手元に付属品がある場合は、製品とまとめて持参するとよいでしょう。
本物かどうかを確かめるために、自分で製品を削ったり薬品をかけたりすることは避けましょう。検査方法によっては表面を削ったり酸を使用したりするものがありますが、専門的な知識や安全管理が必要です。
不用意にヤスリなどで削ると、ジュエリーとしての外観や製品価値を損なう可能性があります。薬品を使った検査には安全上のリスクもあります。判断が難しい場合は製品をそのままの状態に保ち、専門家へ相談する方法が安全です。

磁石に反応する金製品でも、それだけを理由に価値がないと判断する必要はありません。
磁石では確認できない金属組成や品位については、専門店で複数の方法を使って確認してもらうことができます。
磁石に吸い付いたからといって、直ちに価値がない製品と判断するのは適切ではありません。本体が金でも、留め具や内部のバネなど一部の部品だけが磁石に反応する場合があるためです。
また、金メッキや金張りなど、純金製品とは異なる素材でも製品によって評価される場合があります。反対に、磁石にまったく反応しなくても本物の金とは限りません。磁石への反応は、査定を依頼するかどうかを決める唯一の基準にはしないようにしましょう。
真贋や金の品位を自分で判断できない場合は、貴金属の検査に対応した質屋や買取店へ相談する方法があります。専門店では、刻印や外観、重量、比重、X線蛍光分析など複数の情報から素材を確認します。
X線蛍光分析は製品を傷つけずに金属組成を測定できる有力な方法ですが、メッキや製品構造によって結果の解釈に注意が必要です。そのため、ひとつの検査結果だけではなく、複数の方法を組み合わせて判断することが重要です。磁石テストだけで判断できない金製品は、専門家に確認を依頼するとよいでしょう。
金は通常の金属状態では反磁性を示し、一般的な磁石に鉄のように強く吸い付く金属ではありません。
ただし、金製品には割金や下地金属、留め具など別の素材が使われていることがあり、それらの影響で磁石に反応する場合があります。
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監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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