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  • 初鰹は女房を質に入れても食え


    category: 質屋についての豆知識

    最終更新日 : 2023年07月26日
    投稿日 : 2020年10月23日

    質でたとえた江戸っ子気質の性格

    江戸時代のことわざに「初鰹は女房を質に入れても食え」というのがあります。この時代の鰹は高級な魚でした。

    どのくらい高級な魚だったかと申しますと、現代の貨幣価値に換算して1本20万円。

    これほどまでに高いカツオを庶民が食べられるはずもありません。
    たとえとして江戸っ子気質の見栄っ張りな性格を表したことわざなのです。

    当時の漁業は釣り上げた魚を入れる大きな生け簀も無ければ氷で冷やすという事も無いため、
    獲ったカツオの鮮度が落ちないように運搬船用の「押送船」という櫓漕ぎ船で足早に芝浦へ運んでいました。

    その様子を表した川柳『初鰹 むかでのような船に乗り』という句が残っています。

    この船が港を出たと聞きつけると江戸庶民は大騒ぎとなり船が戻ると多くの人で賑わったそうで、
    その初鰹は吉原へ運ばれ、千両箱三つ分の小判が散ったと言われています。

    当時と意味は違えど質屋を営んでいると悪い冗談か、質預りを希望されるお客さんがお連れさんを指して
    「こいつ入れるといくら借りれる?」なんていう質問を幾度かされたことがありました。

    私はもちろん、「質預かりは致しておりません」とご丁重に言葉を返すのですが、この言葉に対し『鮮度の問題か?』と切り返す。
    これにはさすがに苦笑い。

    この時ばかりは「女房を質に入れても何か食べたいものがあるのだろうか?」と考えてしまった。
    この問いかけがまんざらでもなく本気に聞こえるから少し怖い。

    念のために、質屋CLOAK名古屋大須店では、未だかつて人の女房でお金を貸付けしたことはありません。(笑)

    それにしても質屋がことわざに登場することから想像するに、江戸時代の庶民にとって質屋はとても身近な存在だったことが伺えます。

    監修:井上 男(だん)

    金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
    査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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