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category: 貴金属についての豆知識
最終更新日 : 2025年12月26日
投稿日 : 2025年12月26日

「この指輪、本物のプラチナかな?それともただのシルバー?」と、手元のジュエリーの正体が分からずにお困りではありませんか。
プラチナの価値が再注目されている昨今、売却や質入れを検討する際に「本物かどうか」を確かめたいというニーズが増えています。プラチナはホワイトゴールドやシルバーと非常に似ているため、プロでも慎重な判断が求められるほど見分けが難しい金属です。
そこでこの記事では、プラチナ刻印の正しい読み解き方から、磁石や比重を使った自宅でできる5つのセルフチェック法、さらに刻印がない場合の対処法まで徹底解説します。
この記事を読めば、専門知識がなくても大切な品の価値を見極められる可能性が高まります。プラチナの見分け方について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、プラチナと見た目が非常に似ている金属として以下の4種類を解説します。
詳しくみていきましょう。
ホワイトゴールドは、プラチナと見分けがつきにくい金属の代表格です。もともとはわずかに黄色味を帯びた金ですが、表面にロジウムという金属のメッキを施すとおこなわれるのが一般的です。これによってプラチナそっくりの白銀色の輝きが生まれます。
ただし、長く使っているとメッキが剥がれ、地金の色が見えてくるのが特徴です。また、金の含有量によって価値が決まるため、売却や質入れをおこなう際にはプラチナとは別の査定基準になります。
ホワイトゴールドとプラチナの違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
シルバーも白銀色の美しい光沢を持っているため、プラチナと間違えられやすい素材の一つです。
シルバーはアクセサリーとして非常に人気が高いですが、プラチナに比べると重さが半分程度しかないという違いがあります。また、シルバーは空気中の硫黄成分と反応すると、黒ずんでくるのが大きな特徴です。
最近はメッキ加工で変色を防いでいるシルバー製品も多いため、刻印の確認が欠かせません。
もし手にしたときに軽いと感じるなら、シルバーの可能性が高いといえるでしょう。
パラジウムはプラチナと同じグループに属する金属であり、見た目の色はほぼ同じです。硬度が高いため、傷がつきにくい点がメリットです。以前はプラチナの割り金として使われるのが多かったですが、最近は単体のジュエリーも増えています。
パラジウムは天然の白銀色をしているため、メッキが剥がれて色が変わる心配もありません。またプラチナと比較してかなり軽い金属です。
ステンレスはとても硬くて丈夫な金属であり、磨き上げるとプラチナのような輝きを放ちます。サビにくくアレルギーが起こりにくいため、最近は低価格なアクセサリーにもよく使われることが増えました。
ステンレスはプラチナに比べると光沢が少し暗めで、質感が硬い印象を受けるのが特徴です。磁石に反応する場合があり、家庭でも比較的見分けやすい素材といえます。
しかし、高級時計のベルトなどには精密な加工が施されていると、見た目だけでは判断が難しいのも事実です。

プラチナかそれ以外の金属かを調べたいときは、ジュエリーの表面や内側に刻まれた「刻印」を見るのが、もっとも確実で簡単な見分け方です。
多くのジュエリーには、貴金属の純度を示す記号が小さな文字で刻印されています。指輪の内側やネックレスの留め具の部分を、虫眼鏡などを使ってじっくりとおこなえれば確認できるはずです。
質屋や買取専門店などで査定を受ける際も、プロの査定士はまずこの刻印をチェックして本物かどうかを判断しています。
本物のプラチナには、以下のような刻印がみられます。
| 刻印の種類 | 刻印の意味 |
| Pt1000/Pt999 | 「純プラチナ」と呼ばれ、プラチナ純度が99.9%以上であることを指します。 非常に柔らかいため、主に資産用のインゴット(金塊)や記念メダルに使われます。 |
| Pt950 | プラチナ純度95%を示す、スタンダードな刻印です。 ティファニーやカルティエなどの海外ハイブランドの結婚指輪によく使われます。 |
| Pt900 | プラチナ純度90%を示す、日本で最も一般的なジュエリー用の純度です。 適度な硬さがあり、婚約指輪やダイヤモンドの枠に多用されます。 |
| Pt850 | 日本のジュエリーの基準で「プラチナ」と呼べる最低ラインの、プラチナ純度85%を意味する刻印です。 強度が強いため、主にネックレスチェーンに使われます。 |
| Pm/Pm900 | 昭和初期〜中期に作られた古いジュエリーに見られる刻印です。(Pm900の場合は、プラチナ純度90%) 純度が不安定な場合もありますが、本物のプラチナです。 |
お手持ちのプラチナ製品の純度を知りたいという方は、まぜは上記の表に一致するものが刻印されているかを確認してください。
偽物やメッキ品には「PP」や「PtP」といった本物ではないのを示す独自の刻印が打たれています。これらはプラチナ・プレートの略であり、表面に薄い膜を貼っただけの安価な製品である証拠です。
ほかにもシルバーを表す「925」や、プラチナ張りを示す「PtF」という文字も価値が低い品物に多く見られます。英字のみで数字がない「PLATINUM」という表記も、海外の安価な製品によくある怪しいサインです。
プラチナのなかには、経年劣化により刻印が薄くなったり、もともと刻印がされていなかったりするものもあります。とくに、アンティーク品やサイズ直しをおこなった指輪などは、刻印が消えているケースも少なくありません。
そのようなジュエリーがプラチナかどうかを判断する際は、以下に解説する見分け方を実践してみてください。
一つずつみていきましょう。
プラチナは磁石に反応しない性質を持っているため、磁石を近づけてくっつくかどうかで偽物を判別できます。もし強力な磁石を近づけてピタッと吸い寄せられるなら、それは鉄やニッケルが含まれたメッキ品である可能性が高いです。
ただしネックレスの留め具の中にあるバネなどは、鉄が使われていると反応してしまう場合があります。チェーンの部分やペンダントトップ本体が反応するかどうかで判断するのが大切です。
家庭にある磁石ですぐにおこなえるため、ぜひ試してみてください。
プラチナは密度が高く、見た目以上の重さを感じるのが特徴です。同じ大きさのシルバーと持ち比べると、プラチナの方が明らかにずっしりと重く感じられます。これを、比重が大きいといいます。
プラチナを含む代表的な金属の比重は、以下の通りです。
| 金属の種類 | おおよその比重(質量 ÷ 体積) |
| プラチナ | 21.45 |
| 純金 | 19.32 |
| パラジウム | 12.02 |
| 銀 | 10.50 |
| 鉄 | 7.82 |
| ステンレス | 7.75〜8.05 |
この表から、プラチナの比重は金属の中でもトップクラスで大きいということがわかります。
水の浮力の原理を利用することで、プラチナをはじめとした金属の比重を計測することが可能です。以下の手順で金属の比重を計測することができます。
| ①必要なものを用意する | 以下のものを用意する ・水を入れる容器(できれば目盛りが付いているもの) ・キッチンスケール(デジタルでもアナログでも可) ・細い紐や糸(金属を水に沈めるため) ・水 |
| ②金属の質量を測る | キッチンスケールを使って金属サンプルの質量(重さ)を測ります。単位はグラム(g)で測定します。 |
| ③水を入れる容器を準備する | 水を容器に入れ、金属サンプルを完全に沈めることができる量の水を用意します。 水を容器に入れたあと、その水位を確認し、目盛りがある場合は初めの水位を記録します(目盛りがない場合は水の高さを目視で覚えておきます)。 |
| ④金属を水に沈める | 細い糸を使って金属サンプルを水に完全に沈めます(金属が水面に浮かばないように注意)。 金属が完全に水に沈んだ状態を保つようにしましょう。 |
| ⑤水位の変化を測る | 金属サンプルを水に沈めた後、容器内の水位の変化を測定します。目盛りが付いている容器の場合は、沈めた後の水位を記録します。 |
| ⑥比重を計算する | 金属の比重は、金属の質量 ÷ 水の体積 で求めることができます。 |
たとえば、金属の質量が 10g、上昇した水の体積が 20mLの場合、比重は以下のように計算します。
比重 = 質量(g) ÷ 体積(mL) = 10g ÷ 20mL = 0.5
計算された数値がプラチナ特有の数値(約21.45)に近ければ、本物である確率がぐんと高まります。この「沈み込むような重さ」は、ほかの金属ではなかなか再現できないプラチナだけの特徴です。
試金石(しきんせき)とは、貴金属の硬さや色を調べるために使われる黒い石のことです。ジュエリーの表面をこの石に軽くこすりつけ、削り取られた金属の線の色や、薬品への反応を見て本物かどうかを判断します。これはプロの鑑定士もおこなう専門的な方法ですが、最近では家庭用のキットもWebなどで販売されているのです。
ただし製品をわずかに削る必要があるため、大切な宝飾品に傷をつけたくない場合にはおすすめできません。確実な結果が欲しいときは、無理をせずにプロの鑑定に任せるのが安心です。
プラチナは深く落ち着いた「白銀色」の輝きを持っており、時間が経っても黒ずまないのが大きな魅力です。
シルバーは空気に触れるとすぐに黒く変色してしまいますが、プラチナは汗や温泉の成分に触れても輝きを失いません。またホワイトゴールドは表面のメッキが剥がれてくると、内部の黄色い色がうっすらと見えてくる場合があります。
いつまでも変わらない白く美しい輝きを保っているなら、それはプラチナである証拠です。日頃からお手入れをおこなうと、その光沢の違いがよりはっきりと分かるようになります。

自分で本物かどうか判断できないときは、査定のプロが在籍している質屋や買取店に持ち込むのが一番確実な方法です。
最新の分析装置や試金石などが備わっている質屋や買取店では、素材の正体を正確に突き止めてもらえます。プロの査定士は多くの品物を見てきた経験をもとに、微細な色味の変化や質感の違いも見逃しません。
また、本物のプラチナだと分かれば、その場で買い取ってもらうことも可能です。査定のみなら無料でしてもらえる店舗も多いので、まずは気軽に相談してみましょう。
今回は、プラチナかそのほかの金属かを見分ける方法について詳しく解説しました。刻印の確認や磁石テストといったセルフチェックは、特別な道具がなくてもすぐに試せる有効な手段です。
しかし、近年の加工技術は非常に精巧になっており、どれほど注意深く観察しても、自分一人の判断では不安が残るケースも少なくありません。もし「どうしても確信が持てない」という大切な品物がある場合は、無理に特定しようとせず、プロの鑑定士が在籍する専門店へ相談するのが最も安心で確実な選択です。
本物の価値が分かれば、そのまま売却して現金化したり、品物を手放さずに保管し続けたりといった選択も可能になります。まずは信頼できる店舗で、お手持ちのジュエリーがプラチナかどうか、査定を受けてみてはいかがでしょうか。
質屋CLOAKでは、プラチナの質入れ・買取ともに対応しております。名古屋エリアで「お金が必要になった」「自宅に不要なものがある」などで質屋・買取の利用をご検討されている方は、ぜひ質屋CLOAKをご利用ください。

監修:井上 男(だん)
金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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