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  • 【楽器を質屋に預ける】どんな楽器がOK?査定額を上げるもコツも解説


    category: 質屋についての豆知識

    最終更新日 : 2025年09月01日
    投稿日 : 2025年09月01日


    使わなくなった楽器の扱いに困っている方はいませんか?愛着のある楽器を手放すのは寂しいけれど、ただ置いておくだけではもったいない。そんなとき、ぜひ活用したいのが「質屋の質預かり」です。

    この記事では、楽器を質屋に預けるメリットや、査定額を1円でも高くするための具体的なコツを解説します。

    現金が入用になった方や、楽器の売却をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

    楽器を質屋に預ける方は多い

    大切な楽器を手放すことなく、一時的にお金を借りられる質屋の「質預かり」は、実は、多くの方々に利用されています。

    楽器は、高価なものでありながら、演奏家にとっては自分の分身ともいえる、簡単に手放せない大切な道具です。急な出費が必要になった際に、売却せずに資金を調達できる質屋のシステムは、そんな方々にとって、非常に合理的な選択肢となります。

    「楽器」の定義

    質屋で楽器として扱われるのは、以下のような、そのブランドやモデルに中古市場での需要があり、換金価値が認められる楽器のことを指します。

    • ギターやベースのような弦楽器
    • サックスやトランペットなどの管楽器
    • 電子ピアノやシンセサイザーのような鍵盤楽器
    • ドラム・電子ドラムなどの打楽器

    ただし、極端に大型で持ち運びが困難なもの(グランドピアノなど)や、状態が悪く演奏が不可能なものは断られる可能性もあります。市場での需要が著しく低い特殊な民族楽器なども、店舗によっては取り扱いが難しいです。

    質屋に楽器を預けるメリット


    質屋には「質預かり」という、質屋独自の仕組みがあります。質屋に楽器を預けるメリットは、以下の3つです。

    • 審査不要で、即日すぐに現金が手に入る
    • 返済できなくても取り立てや督促がない
    • 安全な環境で保管してもらえる

    それぞれ解説します。

    審査不要で、即日すぐに現金が手に入る

    質屋に楽器を預ける最大のメリットは、その圧倒的なスピード感と手軽さです。

    銀行のカードローンやキャッシングのようにお金の借り入れではないため、個人の信用情報を照会する厳しい審査は一切ありません。必要なのは預けたい楽器と、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類だけです。

    店舗に楽器を持ち込めば、その場で専門のスタッフが査定をおこないます。提示された金額に納得すれば、すぐに現金を受け取れるのは大きな強みです。査定、申し込みの記入、現金化まで15分から30分ほどで完了できます。

    一刻も早く現金を用意したい場面で、これほど頼りになるサービスはないでしょう。

    返済できなくても取り立てや督促がない

    質預かりの場合、借りたお金の返済をできなくても、取り立てや督促がありません。

    期限内に元金・利息を返済出来ない場合は、預けた楽器の所有権が質屋に移り返済の義務がなくなります。これを質流れといい、金融機関から借金をしているわけではないため、電話での督促や自宅への取り立てが一切ないのです。

    万が一返済ができなくても、信用情報に傷がつかないので、将来的にローンを組む際の影響もゼロです。返せるあてはあるけれど、万が一のことを考えると不安という方でも、安心して利用できます。

    安全な環境で保管してもらえる

    質屋には預かり品を保管する、法律で定められた基準を満たす専用の質蔵があります。温度や湿度が徹底的に管理されており、楽器にとって大敵である急激な環境変化はありません。堅牢な扉や厳重なセキュリティシステムで、盗難リスクも最小限に抑えられています。

    デリケートな楽器も、最適な環境で安全に保管してもらえるため安心です。

    質屋に預けられることが多い楽器

    質屋に預けられることが多い楽器は、以下の3つです。

    • ギター
    • 木管楽器
    • 金管楽器

    それぞれの特徴と、質屋での評価ポイントを解説します。

    ギター

    楽器の中でも圧倒的な人気を誇るのがギターです。

    • Gibson(ギブソン)
    • Fender(フェンダー)
    • Martin(マーティン)

    上記のような有名ブランドは、中古市場でも常に需要が高いため、高額査定が期待できます。

    ヴィンテージギターや人気アーティストのシグネチャーモデルも高額です。希少価値が加味され、驚くような金額になる可能性もあります。

    査定では、ネックの反りやフレットの減りは減点ポイントとなるため注意が必要です。ボディの傷や電装系(ピックアップやスイッチ類)の動作もしっかりチェックされます。

    アコースティックギターの場合は、ボディの膨らみやブリッジの剥がれがないかも重要なポイントです。

    木管楽器

    吹奏楽やジャズシーンで活躍する木管楽器も、質屋で頻繁に取引されるアイテムです。

    • YAMAHA(ヤマハ)
    • Selmer(セルマー)
    • Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)

    上記メーカーは、安定した人気と品質で高値がつきます。査定では、キイの動作や音孔を塞ぐパッドの状態が重視されやすいです。

    音孔パッドが劣化していると正確な音が出せず、査定額に大きく影響します。管体の歪みや大きなへこみ、メッキやラッカーの剥がれなどにも注意が必要です。

    金管楽器

    華やかな音色でバンドの主役となる金管楽器も、人気の高いジャンルです。Bach(バック)やYAMAHA(ヤマハ)が有名ブランドとして知られています。

    金管楽器の査定で最も重要なのは、ピストンやスライドの動作です。スムーズに動かず固着している状態は、演奏に支障をきたし減額対象となります。

    管体のへこみも音色に影響を与えるため、特に細かく見られるポイントです。

    また、マウスピースなどの付属品が揃っているかも、査定額を左右します。

    質屋で楽器を預ける流れと仕組み


    質屋で楽器を預けるときは、以下のような流れで手続きが進んでいきます。

    1. 楽器と本人確認書類を持って店舗へ
    2. 専門スタッフによる査定・金額提示
    3. 契約・現金と「質札」の受け取り
    4. 期限内に利息と元金を支払って楽器の受け取り

    順を追って解説していきます。

    ①楽器と本人確認書類を持って店舗へ

    まずは、担保として預けたい楽器と、ご自身の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)を持って、直接質屋の店舗へ行きます。質屋営業法という法律で、取引の際には必ず本人確認をおこなうことが定められているためです。

    予約は不要な場合がほとんどなので、ご自身の都合の良いタイミングで訪れることが可能です。

    純正のハードケースや、保証書といった付属品もあれば、査定額アップに繋がるため、忘れずに持参しましょう。

    ②専門スタッフによる査定・金額提示

    店舗に着いたら、専門のスタッフが、お持ちになった楽器の状態を丁寧に査定し、融資できる上限金額を提示します。

    査定では、楽器のブランドやモデル、製造年、そして傷やネックの反りといったコンディション、正常に音が出るかなどを総合的に判断します。査定額に納得できなければ、その場で取引をやめることも可能です。

    ③契約・現金と「質札」の受け取り

    提示された融資額に納得できれば、契約手続きに進み、その場で現金と「質札」という書類を受け取ります。

    質札は、契約内容(融資額、質料、流質期限など)と、預かった品物の詳細が記載された、非常に重要な「預かり証」兼「契約書」です。品物を受け戻す際に必ず必要となるため、絶対に紛失しないように、大切に保管してください。

    ④期限内に利息と元金を支払って楽器の受け取り

    預けた楽器を取り戻すには、原則3カ月の流質期限内に、借りたお金(元金)と、それまでの利息にあたる「質料」を全て支払います。支払いが完了したら、質札を店に渡し、保管されていた楽器をその場で受け取ることが可能です。

    もし期限までに元金を返せなくても、質料だけを支払えば、期限を延長することも可能です。大切な楽器を手元に戻すため、流質期限をしっかりと管理するようにしてください。

    【楽器別】査定額を1円でも高くするコツ

    大切な楽器を少しでも高く評価してもらうためには、楽器別に以下のポイントを押さえることが重要です。

    • 管楽器
    • 弦楽器
    • その他の楽器

    詳しく解説します。

    管楽器の場合

    まず管楽器の査定で最も見られるのは、演奏可能かという点です。

    ピストンやキイがスムーズに動くか、スライドは固着していないかを事前に確認しましょう。しばらく演奏していないならオイルやグリスを注して、各部が滑らかに動く状態にしておくと印象が良くなります。

    また、管体についた指紋や汚れは、ポリシングクロスで優しく拭き取りましょう。特に銀メッキの楽器は黒ずまないよう、シルバーポリッシュで磨いておくと輝きが戻ります。

    ただし、ラッカー仕上げの楽器に研磨剤入りのポリッシュを使うと、塗装を傷めるため注意が必要です。

    弦楽器の場合

    錆びた弦は見た目が悪いだけでなく、正確な音程の確認ができません。そのため、まずは新しい弦に張り替えましょう。査定士の心証が大きく変わります。

    ネックの反りも重要なチェックポイントです。チューニングした状態で1フレットと最終フレットを押さえ、中央付近の弦とフレットの隙間を確認してください。ハガキ1枚分程度の隙間があるのが理想です。

    大きく反っているなら、調整できる範囲でトラスロッドを回して修正しておくと良いでしょう。しかし、調整方法がわからない場合は、無理におこなわないでください。

    エレキギターやベースの場合は、アンプに繋いだ際にノイズが出ないかも確認しましょう。

    その他の楽器

    電子ピアノやシンセサイザーなどの電子楽器は、全ての鍵盤から正常に音が出るか、各種ボタンやツマミが問題なく機能するかを確認してください。液晶ディスプレイがあるモデルは、表示に異常がないかもチェックしましょう。

    電子ドラムなら各パッドの感度や、ハイハットペダルなどの動作確認が重要です。見落としがちなACアダプターやペダル、専用スタンドなどは、欠けていると大幅な減額に繋がりかねません。付属品があるかどうかもしっかりと確認しましょう。

    楽器の査定額を上げるその他のコツ5選


    大切な楽器を少しでも高く評価してもらうために、以下5つのコツを実践してみてください。

    • 本体のホコリや指紋を綺麗に掃除する
    • ケースや保証書・エフェクターなどの付属品を揃える
    • 演奏できる状態にメンテナンスしておく
    • できるだけ早く査定に出す
    • 楽器の専門知識が豊富な質屋を選ぶ

    詳しく解説します。

    本体のホコリや指紋を綺麗に掃除する

    最も基本的で、かつ効果的な方法が、楽器本体のホコリや指紋を綺麗に掃除することです。

    汚れた楽器よりも、大切に扱われた綺麗な楽器のほうが評価が高くなります。ボディについた指紋やホコリを、柔らかいクロスで優しく拭き取りましょう。

    弦と指板の間や、パーツの隙間に溜まったホコリは毛先の柔らかいブラシなどを使うと綺麗になります。見た目の印象を良くするだけで、「この楽器は丁寧に扱われてきたのだろう」というプラスの評価に繋がり、査定額アップが期待できるでしょう。

    ケースや保証書・エフェクターなどの付属品を揃える

    楽器の購入時に付属してきたものは、可能な限り全て揃えて持ち込みましょう。

    • 専用のケース
    • 保証書
    • 取扱説明書
    • アーム
    • レンチなどの工具類

    これらがあると、査定額は上がりやすいです。特に保証書は、楽器が正規品であることを証明する重要な要素です。

    また、ギターのエフェクターやチューナー、アンプ、管楽器のメンテナンス用品なども一緒に査定に出すのがおすすめです。関連するアイテムを一緒に査定に出せば、高額評価の可能性が高まります。

    演奏できる状態にメンテナンスしておく

    質屋は再販できるかを基準に、査定をおこないます。そのため、すぐに演奏できる状態にメンテナンスされている楽器は高く評価されやすいです。

    弦が切れていたり、音が出なかったりする状態では、修理費用を差し引いた金額が提示され査定額は大きく下がります。自分でできる範囲で弦の交換やチューニング、簡単な調整などをしましょう。すぐ次の人が使える状態にすれば、高価査定は出やすいです。

    できるだけ早く査定に出す

    できるだけ早く査定に出すことも、楽器の査定額を上げる重要なポイントです。

    「いつかまた使うかもしれない」と思って長期間保管していると、楽器の状態は少しずつ劣化します。木材は乾燥や湿気で変形し、金属パーツは錆びてしまうと、査定額が下がりやすいです。

    また、楽器のモデルにも流行り廃りがあります。新しいモデルが発売されれば、旧モデルの市場価値は下がるのが一般的です。

    使わないと決めたら楽器の状態が良く、市場価値が高いうちに査定に出してください。

    楽器の専門知識が豊富な質屋を選ぶ

    質屋も時計やブランド、骨董などの得意なジャンルがあります。楽器は価値が正しく判断できる、専門知識と査定経験が豊富な質屋に預けましょう。

    公式サイトで楽器の買取実績を公開していたり、「楽器査定専門」を謳っていたりするお店がおすすめです。専門の査定士であれば、ブランドやモデルだけでなく、木材の質や製造年代、ヴィンテージとしての価値まで見抜きます。適正な価格を提示してくれるはずです。

    楽器の質預かりでよくある質問

    最後に、楽器の質預かりでよくある質問とその回答をご紹介していきます。

    「質預かり」と「買取」はどう違うのですか?

    「質預かり」と「買取」の最も大きな違いは、品物の「所有権」がどうなるかにあります。

    「質預かり」は、楽器を担保にお金を借りる融資契約です。期限内にお金を返せば、楽器は必ず手元に戻ってきます。一方、「買取」は、楽器の所有権をその場で完全に店に売却する取引です。

    大切な楽器を手放したくない場合は「質預かり」、もう使わない楽器を現金化したい場合は「買取」と、目的に応じて使い分けてください。

    音が出ない・壊れていても預けられますか?

    たとえ音が出ない、あるいは一部が壊れている楽器であっても、その楽器自体に資産価値が残っていると判断されれば、質預かりの対象となる場合があります。

    たとえば、高値で取引されるギターのように、評価の高いモデルなどです。ただし、査定額は、修理にかかる費用を差し引いた金額となるでしょう。

    修理が難しい安価なモデルの場合は、残念ながら値段がつかないこともあります。まずは一度、査定に出して相談してみるようにしてください。

    楽器を預ける際に何が必要ですか?

    楽器を質預かりに出す際に必要なものは、原則として「預けたい楽器本体」と、ご自身の「本人確認書類」の2点だけです。本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証などが有効です。

    また、査定額を少しでも上げるために、購入時に付属していた純正のハードケースや、保証書、エフェクターといった付属品も、あれば全て一緒に持参することをおすすめします。

    利息と返済期限はどのくらいですか?

    利息にあたる「質料」は、借りる金額に応じて、月利1パーセント〜8パーセント程度が相場です。

    そして、返済期限である「流質期限(りゅうしちきげん)」は、法律で原則3カ月と定められています。この3カ月の間に、元金とそれまでの質料を支払えば、いつでも楽器を取り戻せます。

    もし期限までに元金を返せなくても、質料だけを支払えば、期限を延長することも可能です。

    もし返済できなかった場合はどうなりますか?

    もし流質期限までに返済ができなかった場合、預けた楽器の所有権が、自動的に質屋に移る「質流れ(しちながれ)」となり、契約は完了します。

    質流れの最も大きな特徴は、その時点で、あなたの返済義務は一切なくなるということです。カードローンのように、電話や手紙での取り立てや、遅延損害金が発生することは、絶対にありません。

    また、この取引は信用情報機関にも登録されないため、将来のローン審査などに影響することもありません。

    まとめ

    質屋は、審査不要で即日現金が手に入り、万が一返済できなくても督促がない、非常に便利で安心なシステムです。質預かりであれば、大切な楽器を手放すことなく、一時的にお金を借りられる魅力もあります。

    楽器を査定に出す前は、丁寧に掃除し、演奏できる状態にメンテナンスしましょう。ケースや保証書などの付属品は、できる限り揃えてください。このひと手間が、あなたの楽器の価値を大きく左右します。

    質屋CLOAKでは、楽器の質入れ・買取ともに対応しております。名古屋エリアで「お金が必要になった」「自宅に不要なものがある」などで質屋・買取の利用をご検討されている方は、ぜひ質屋CLOAKをご利用ください。

    監修:井上 男(だん)

    金や貴金属・ブランド品をはじめ幅広いジャンルを取り扱う「質屋CLOAK」の代表。1977年7月生まれ。
    査定歴は25年以上で、年間10,000点ほどの商品を査定。長年培ってきた経験やスキル・最新相場の把握によって、お客様のご希望に寄り添った高額査定を実現中。

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