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  • 昔は高額だったジュエリーがなぜ「重さ」で評価されるのか|購入価格と現在の資産価値が違う理由 質屋CLOAK 守山小幡店

    昔購入したジュエリーを査定するとき、「購入したときはかなり高かったと聞いています」「百貨店で何十万円もした指輪です」とお話を伺うことがあります。

    実際、昭和から平成にかけて販売された宝石ジュエリーには、現在の感覚から見てもかなり高額な価格で販売されていたものが数多くあります。

    プラチナの枠に色石とダイヤモンドを組み合わせたリング、18金をたっぷり使用したネックレス、大きな宝石を中央に配置した取巻きリングなど、当時は人生の節目に購入する特別なジュエリーとして販売されていました。

    ところが、現在査定してみると、購入価格に対して思ったほど宝石部分の評価が伸びず、金やプラチナの重量が査定額の中心になることがあります。

    これは、「昔高く買ったジュエリーに価値がなくなった」という単純な話ではありません。

    購入したときの価格と、現在の中古市場での価値では、価格を作る仕組みそのものが違うからです。

    新品ジュエリーの価格は地金と宝石だけでは決まらない
    大粒のメレダイヤがついた指輪。現在は金のほうが評価が高い

    新品として販売されるジュエリーの価格には、18金やプラチナといった地金代だけが含まれているわけではありません。

    中央に使われる宝石、周囲のダイヤモンド、デザイン、石留め、研磨、製造など、一本のジュエリーを完成させるために多くの工程があります。

    さらに販売段階では、店舗運営、販売員による接客、広告、在庫管理、保証やアフターサービスなど、さまざまな費用が必要になります。

    特に昔の宝石販売では、百貨店や宝石専門店で販売員から説明を受けながら購入する方法が一般的でした。

    宝石を選び、枠を作り、完成した商品として店頭に並べ、お客様へ販売するまでの費用が小売価格に含まれていたわけです。

    そのため、例えば50万円で購入されたリングの中に、50万円分の金・プラチナと宝石が入っているという意味ではありません。

    この違いを理解することが、現在の査定価格を考えるうえで非常に重要です。

    中古市場では「今いくらで再流通できるか」を見る

    一方、現在の買取や質預かりでは、購入当時の小売価格をそのまま基準にすることはできません。

    重要になるのは、そのジュエリーが現在の市場でどのように評価されるかです。

    そのままジュエリーとして再販できるのか。

    中央の宝石に現在も市場価値があるのか。

    周囲のダイヤモンドを評価できるのか。

    そして、製品としての再販が難しい場合には、18金やプラチナという素材としてどの程度の価値が残るのか。

    こうした要素を一つずつ確認していきます。

    つまり新品の価格が「製品を作り、販売するための価格」であるのに対して、中古市場では「現在その品物をどのように再流通させられるか」という価格になります。

    入口と出口が違うため、価格も同じにはなりません。

    宝石が付いているから必ず地金以上になるわけではない

    昔のジュエリーを見ると、大きな色石が付いたリングや、小さな宝石がいくつも使われたデザインがあります。

    見た目には非常に華やかなため、「これだけ宝石が付いているなら、地金よりかなり高くなるのでは」と思われることがあります。

    しかし宝石は、種類や品質によって市場価値が大きく異なります。

    例えばルビー、エメラルド、サファイアであっても、宝石名だけで高く評価されるわけではありません。

    色、透明感、大きさ、内包物、処理の状態、カットなどによって評価は大きく変わります。

    また、アメジスト、シトリン、一般的なガーネットなど、天然石としては美しくても流通量が多く、単体では大きな金銭的評価になりにくいものもあります。

    こうした宝石が一石だけ付いたリングでは、宝石よりもK18やPt900など地金部分の評価が中心になることがあります。

    一方で、中央石の品質が良く、周囲にダイヤモンドを配置して全体として完成度の高いジュエリーになっている場合には、宝石やデザインを含めて評価できる可能性があります。

    つまり、「石付き」と「宝石として評価できる」は同じ意味ではありません。

    現在は金価格の上昇によって地金の存在感がさらに大きくなった

    そして現在、この違いをさらに大きくしているのが金価格の上昇です。

    昔は「宝石が主役で、18金はそれを支える枠」という感覚だったジュエリーでも、現在の金相場で計算すると、18金部分だけで大きな金額になることがあります。

    特に昔のジュエリーは地金をしっかり使用した重量のあるものも多いため、現在では宝石より地金部分が査定額の中心になるケースが珍しくありません。

    これは宝石の価値がなくなったということではありません。

    地金価格が大きく上昇したことで、ジュエリー全体の評価に占める素材価格の割合が非常に大きくなったということです。

    例えば同じ品質の宝石が付いたリングでも、5グラムのものと20グラムのものでは、現在の地金相場では素材評価だけでも大きな差が生まれます。

    そのため、重量のある昔の18金ジュエリーでは、現在は「どんな石が付いているか」と同じくらい「何グラムあるか」が重要になっています。

    プラチナも以前より評価しやすい相場になっている

    金ほど大きく注目されることはありませんが、プラチナ価格も数年前と比較すると上昇しています。

    そのため、昔のPt900リングやPt850ネックレスも、以前より地金部分を評価しやすくなっています。

    特にダイヤモンドを複数使ったプラチナジュエリーでは、プラチナの素材価格にダイヤモンドの評価が加わるため、4~5年前と比較すると全体として査定しやすくなっているものもあります。

    ただし、一粒石の天然ダイヤモンドについては別の市場変化があります。

    天然ダイヤモンドはラボグロウンダイヤモンドの普及によって、この2~3年で流通相場が下落しており、特に0.1カラット程度から1カラット前後、2カラット前後までの流通量の多いサイズでは、以前と同じ感覚で評価することが難しくなっています。

    3カラットを超えるような大粒石や、明らかに品質の良いものなどは別に考える必要がありますが、現在は「ダイヤモンドだから昔と同じ資産価値」という市場ではなくなっています。

    その一方でプラチナ価格が上昇しているため、一つのリングの中で地金は上昇し、宝石は下落するという、以前には意識されにくかった現象も起きています。

    購入価格ではなく現在の中身を一つずつ見る

    昔50万円だったリング。

    100万円で購入した色石ジュエリー。

    結婚するときに高額で購入したダイヤモンドリング。

    その購入価格には、その時代の販売環境や加工費、店舗サービスまで含まれています。

    だからこそ、現在の査定では購入価格を否定するのではなく、今残っている価値を一つずつ確認することが重要です。

    18金はいくらなのか。

    プラチナはいくらなのか。

    ダイヤモンドはいくらなのか。

    色石は宝石として評価できる品質なのか。

    そしてジュエリー全体として再販できるのか。

    これらを積み上げていくことで、現在の資産評価が見えてきます。

    昔の購入価格と比較するより、今の資産として考える

    質屋CLOAK守山小幡店では、昔のジュエリーについて「購入時にいくらだったか」だけではなく、現在の地金相場、宝石市場、ジュエリーとしての再販性を確認しながら買取・質預かりの査定を行っています。

    購入価格が高かったジュエリーでも、現在は地金中心の評価になるものがあります。

    反対に、昔はそれほど意識されていなかった重量のある18金製品が、現在の金相場によって大きな資産になっている場合もあります。

    大切なのは、昔の値札と現在の査定額を単純に比較することではありません。

    「いくらで買ったのか」から、「今、このジュエリーには何が残っているのか」へ。

    地金、宝石、デザイン、それぞれを現在の市場で見直すことが、長年保管してきたジュエリーの資産価値を知るための現実的な方法です。

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